リン酸基結合モジュールにもとづくDNA結合部位の推定
Project/Area Number |
09780603
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Biophysics
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
由良 敬 名古屋大学, 大学院・理学研究科, 助手 (50252226)
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Project Period (FY) |
1997 – 1998
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1998)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1998: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 1997: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Keywords | モジュール / ヘリックス・ターン・ヘリックス / リン酸基結合 / DNAポリメラーゼβ / 434Cro / Arcリプレッサー / シアノバクテリア / 形質転換 / 転写因子 / DNA修復酵素 / DNA / HTH / リン酸基 / 水素結合 / 立体構造比較 |
Research Abstract |
転写因子において塩基認識部位には共通の立体構造が存在することが知られている。それでは、これらのタンパク質のリン酸基結合部位には共通の構造が存在するのであろうか。タンパク質-DNA複合体のモジュール構造を調べたところ、DNAのリン酸基にのみ結合するモジュールが存在することがわかった。リン酸基結合モジュールを比較した結果、原核生物と真核生物の転写因子及びポリメラーゼの4つのタンパク質に、類似の立体構造・リン酸基結合様式をもつモジュールが見いだされた。これらのモジュールは塩基を認識するヘリックス・ターン・ヘリックス(HTH)モジュールと類似の立体構造をとっているが、塩基と水素結合することはなく、C末端側ヘリックスのN末端に位置する主鎖のアミノ基でDNAのリン酸基と水素結合することがわかった。これらのモジュールには、立体構造構造形成のため及び機能を実現するために固有のアミノ酸配列パターンが存在することがわかった。そのパターンを用いて全ゲノム配列が決定されたシアノバクテリアSynechocystis sp.PCC6803を検索した結果、機能未知のORF slr0197にそのリン酸基結合HTHモジュール候補が2箇所見つかった。ORF slr0197にはエンドヌクレアーゼドメインがあることが同時に予測された。このシアノバクテリアは、外来DNAをそれ自身の遺伝子に取り込むことで形質転換を起こすことが知られているが、その分子的機構は判明していない。形質転換の最初の段階は外来DNAの配列非特異的な取り込みである。他のいくつかの知見から、ORF slr0197は形質転換における外来DNA取り込みに関与していることが示唆され、DNA結合部位は2つのリン酸基HTHモジュールであることが予測された。
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Report
(2 results)
Research Products
(3 results)