植物核tRNA^<Met>前駆体のプロセッシングとスプライシングの分子機構
Project/Area Number |
09780636
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Molecular biology
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Research Institution | Shimane University |
Principal Investigator |
赤間 一仁 島根大学, 生物資源科学部, 助手 (50252896)
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Project Period (FY) |
1997 – 1998
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1998)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1998: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 1997: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Keywords | tRNAスプライシング / tRNAイントロン / tRNA^<Met> / tRNAエンドヌクレアーゼ / 植物 / 分子進化 |
Research Abstract |
真核生物核tRNA遺伝子の中にはイントロンにより分断されているものがある.その長さは8〜113塩基長と幅があり,常にアンチコドンの1塩基下流に存在する.転写された前駆体tRNAはtRNA特異的なエンドヌクレアーゼによりイントロンが取り除かれ,ATP依存性tRNAリガーゼにより成熟tRNAになる.グループI,IIイントロンや真核生物mRNAイントロンと異なり,核tRNAイントロン内にスプライシングの信号となるシス配列は存在しない.その代わりに,イントロンを含む前駆体tRNAの高次構造がエンドヌクレアーゼの基質認識に関わると一般に考えられている.イントロンを含む核tRNA遺伝子の種類は生物種により異なり,酵母では10種の異なるtRNA遺伝子群がイントロンを有しているのに対して,植物ではtRNA^<Tyr>とtRNA^<Met>をコードする遺伝子のみが普遍的にイントロンを含んでいる.前駆体tRNA^<Tyr>分子のプロセッシングとスプライシング機構は詳細に解析されているが,植物にのみ観察されるイントロンを含む前駆体tRNA^<Met>の発現様式は何も明らかにされていない.よって,本申請研究は前駆体tRNA^<Met>分子のプロセッシングとスプライシングの機構を主にこれらに要求される構造的な特性を解明することを目的に行った. アラビドプシスtRNA^<Met>遺伝子を鋳型として,点突然変異導入法を用いて種々の変異遺伝子を構築し,これらを鋳型にしてまず,ヒーラ核抽出液中で転写反応の行った.次に,得られた転写産物を用いて小麦胚芽核抽出液中でプロセッシングとスプライシング反応を行った.これらの結果から,1)イントロンの存在は転写やプロセッシングには影響を与えないこと,2)イントロン/エクソン境界領域に塩基置換を導入してもスプライシングの効率に影響しないこと,3)イントロン/アンチコドンのステム構造を破壊したものや3'スプライスループの長さを変えたものは著しくスプライシング反応が阻害されることが明らかになった.これらの結果は,切断部位周辺の塩基にではなく,前駆体分子の保存された立体構造が植物tRNAエンドヌクレアーゼによる認識とイントロンの正確な切り出しに必須であることを強く示唆している.
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Report
(2 results)
Research Products
(3 results)