Research Project
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
昨年までの研究で、膀胱癌の臨床標本を用いてPLK(Polo-like kinase)が癌領域に特異的に染色されることを報告してきた。そこで、現在、尿中に剥離してくる膀胱癌の特性を利用して、膀胱癌の早期診断に役立てはしないかを検討しようとしている。すなわち尿を採取して、遠心分離後、沈殿した細胞よりRNAを抽出し、RT-PCR法にてPLKの発現を検討している。ここで膀胱炎の際に出現してくる白血球が混在し分裂中の白血球もPLKが発現していることが考えられる。よって、この問題点を克服するために、白血球細胞と膀胱癌細胞の比重の差を利用して、グリセロールやショ糖の密度勾配法を行い、炎症性の白血球の除去を試みている。また、最近臨床応用された抗癌剤タキソールの作用機序の一つが微小管形成の阻害である。他方PLKの作用の一つが、微小管の形成に深く関与していることを既に、我々は報告している。そこで膀胱癌よりタキソールの耐性細胞を樹立した所、対数増殖期におけるPLKmRNAの発現は、タキソール耐性細胞が親株に比較して有意に上昇していた。そこで、親株とタキソール耐性細胞をダブルチミジングブロック法を用いて、細胞を同調させ、休止(G1)期、S期(DNA合成)、分裂(M)期における細胞集団を得て、PLKmRNAならびにタンパク質を抽出して、その発現の程度を解析中である。更に、現在PLKを遺伝子導入して、タキソール耐性を獲得できるかを確かめるために、PLK過剰発現細胞をクローニング中である。
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