グリア細胞由来の神経細胞の生存に関わる新たな因子の発見とその作用機構の解析
Project/Area Number |
09780671
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Cell biology
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
三苫 純也 理化学研究所, 糖細胞情報研究チーム, フロンティア研究員 (10281627)
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Project Period (FY) |
1997 – 1998
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1998)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1998: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 1997: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
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Keywords | 海馬神経細胞 / 海馬アストロサイト / ニューロングリア相互作用 / L-セリン / 3-ホスホグリセリン酸脱水素酵素 / 海馬ニューロン / 海馬アストログリア / ニューロン生存促進因子 / 神経突起伸長 / ホスファチジルセリン / ホスファチジルスレオニン |
Research Abstract |
前年度までの研究で、海馬アストロサイトから放出される非必須アミノ酸L-セリンが海馬神経細胞の生存及び突起伸長を促進することを見いだした。さらに、神経細胞ではL-セリン濃度が極めて低いことが、神経細胞の脂質分析より示唆された。本年度は、神経細胞及びアストロサイトにおいてL-セリン合成の調節がどのように行われているかを知ることを目的とした。 L-セリンの合成は解糖系の中間物質である3-ホスホグリセリン酸から3段階の酵素反応によって行われる。そのうち律速段階で最初の反応を触媒する、3-ホスホグリセリン酸脱水素酵素 (3PGDH)が最も重要であると考えcDNAクローニングを試みた。この酵素は既にクローニングされているため、ラット3PGDHのcDNAをPCRによって得た。培養7日目の海馬神経細胞とアストロサイトの総RNAを用いて、3PGDHのcDNAをプローブにNorthern Blottingを行なったところ、アストロサイトには豊富に発現しているが、神経細胞にはほとんど発現していないことがわかった。 次に3PGDHを大腸菌で大量発現してウサギポリクローナル抗体を調製した。培養7日目の海馬神経細胞とアストロサイトの総タンパク質を調製し、Western Blottingを行なったところ、Northern Blottingの結果と同じく、アストロサイトにのみ豊富な発現が認められた。さらに、Immunocytochemistryによってもこのことが証明された。 本研究により、3PGDHはアストロサイトにはかなりの発現が見られるが、神経細胞にはほとんど発現していないことがわかった。このことは、L-セリンが神経細胞にとっては必須アミノ酸であり、アストロサイトから供給されていることを強く示唆する。
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Report
(2 results)
Research Products
(5 results)