ソニックヘッジホッグによる形態形成関連遺伝子Zicの発現調節機構
Project/Area Number |
09780695
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Developmental biology
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
有賀 純 理化学研究所, 分子神経生物学研究室, 研究員 (10232076)
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Project Period (FY) |
1997 – 1998
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1998)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1998: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 1997: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Keywords | Zic / 転写因子 / 遺伝子発現制御 / 神経発生 / 遺伝子ターゲティング / 椎骨 / 二分脊椎 / 遺伝子発現調節 / 神経管翼板 / 小脳 / ソニックヘッジホッグ |
Research Abstract |
Zicファミリーはマウス小脳顆粒細胞に強く限局して発現する遺伝子群として見いだされ、ショウジョウバエのpair-rule遺伝子odd-pairedのホモログでありこと、Sonic hedgehogの下流にあるGliと同じ標的配列に結合し得ることなどが明らかとなっている。 今年度は、神経管および椎骨の背腹軸に沿った形態形成におけるZicファミリーの役割の解明に焦点を合わせた。そのためにZic1.Zic2に変異を持つマウスを遺伝子相同組換えにより作製し、その表現型を解析した。その結果、これらの因子が背側の神経管の細胞増殖調節、分化制御において重要な役割を持つことが明らかになった。また、Zic1の発現調節領域を解析し、この因子が脊髄の背側で発現するのに必要な領域を同定した。この領域をレポーター遺伝子の上流に配置し培養細胞中でソニックヘッジホッグ等の分泌性因子の影響を見たが有意な影響は見られず、Zicのソニックヘッジホッグによる発現抑制は単一の細胞の中で起きていない可能性が出てきた。 Zicファミリーは上述の神経系の他に発生過程の沿軸中胚葉、特に硬節においても高レベルで発現している。これに関連して、変異Ziclホモ接合体では、椎弓の異常が最も顕著で前後の椎弓との融合、棘突起の欠失、正中での椎弓融合不全が認められた。一方、Gli3は硬節においてZiclとオーバーラップして発現しており、その変異マウスで椎弓の形態異常が観察される。Gli3/Zic1複合変異マウスでは、いずれも単独変異マウスでは見られない形態異常が認められ、Zic1とGli3は協調的に働いていることが示された。また、Zic1/Gli3変異マウスにおける前後軸に沿った間葉の凝集パターンの乱れは特に顕著で、これらの遺伝子が前後軸に沿った、背側の沿軸中胚葉の分節化に関与することを示唆している。
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Report
(2 results)
Research Products
(6 results)