Budget Amount *help |
¥2,400,000 (Direct Cost: ¥2,400,000)
Fiscal Year 1998: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 1997: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
|
Research Abstract |
本研究では実験動物としてニホンザルを用いた.ネンブタール麻酔下に,頭蓋骨上に固定器具をとりつける予備手術をおこない,サルの回復後に,運動関連領野の同定をおこなった.サルをモンキーチェアに座らせて,浅麻酔下に運動関連領野上の頭蓋骨を部分的に除去し,麻酔から回復後に油圧式マニピュレーターにとりつけた金属微小電極を細胞外記録をおこないつつ脳内に挿入し,皮質内の適当な位置でこの微小電極を介して,皮質内微小刺激(Intracortical microstimulation;ICMS)をおこない誘発される運動を観察した.本年は運動前野,補足運動野,帯状皮質運動野の上肢領域を同定しそのそれぞれに順行性トレーサーであるWGA-HRP(Horseradish pcroxidase conjugated to wheat germ agglutinin)や,BDA(Biotinylated dextran amine)を注入した.これらの注入を受けたサルを適切な生存期間の後,灌流固定し,その脳の凍結切片を作成し,組織化学的に標識物質を可視化した後,光学顕微鏡的観察に供した.運動前野,補足運動野の線維終末は被殻の背内側部に収束性の終末領域を形成することがわかった。これは一次運動野の終末領域と一部重なるものであった。一方帯状皮質運動野の終末はより前方に存在し,吻側帯状皮質運動野は被殻の背内側部から尾状核にかけて,背側帯状皮質運動野は被殻の腹外側部に終末領域を形成することが明らかになった。線条体の各領域が別箇の運動情報処理を行なっている可能性が明らかになった。
|