Project/Area Number |
09780736
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Neurochemistry/Neuropharmacology
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Research Institution | Tokyo Metropolitan Institute for Neuroscience |
Principal Investigator |
山形 要人 (財)東京都神経科学総合研究所, 分子神経生物学研究部門, 副参事研究員 (20263262)
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Project Period (FY) |
1998
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1998)
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Budget Amount *help |
¥2,400,000 (Direct Cost: ¥2,400,000)
Fiscal Year 1998: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 1997: ¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
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Keywords | 脳 / 記憶 / LTP / 後期遺伝子 |
Research Abstract |
後期遺伝子群(delayed early genes=DEGs)は、神経活動後immediate early Genes( IEGs)に引き続いて誘導される遺伝子群の総称で、神経系(脳)ではまだ系統的に調べられていない。Late geneと呼ぶ研究者もいるが、我々はimmediate early gene(IEG)産物によって発現制御されていることから、DEGと呼んでいる。DEGはIEG産物によって発現調節され、シナプス可塑性の“effector"として、直接機能していると考えられる。DEGを単離するため、ラットに強い電撃痙攣刺激を与え、海馬のライブラリーを作製し、differential hybridizationによって、8時間後に誘導される遺伝子群をクローニングした。約10万個のライブラリーから90個のクローンを単離し、それらのすべてについて5'および3'末端のシークエンスを行った。その結果、大部分がミトコンドリアのCytochrome oxidase cDNAであることが明らかになった。このcDNAをプローブにして、痙攣刺激によるmRNA誘導の時間経過を調べたところ、発作後、徐々に増加し、8時間で最高になった。また、Na,K-ATPase(Na pump)β1subunitも単離されたので、in situ hybridizationによって、その誘導部位を解析し、海馬歯状回顆粒細胞・錐体細胞、大脳皮質の神経細胞で誘導されることを明らかにした。さらに、他の誘導遺伝子の解析も行い、prothymosin、G protein β subunit(PKC receptor)、PC4(interferon homolog)遺伝子が、電撃痙攣刺激後、海馬を中心に誘導されることを見出した。これらの遺伝子産物は、細胞の分裂や増殖に関与していると考えられる。海馬の顆粒細胞層と門の境界部には、神経幹細胞が存在し、痙攣発作が続くと分裂することが知られているので、これらのDEG産物が、電撃痙攣刺激によって誘導され、幹細胞の分裂・増殖を引き起こす可能性が考えられた。
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