陰影から3次元形状を知覚する大脳皮質の計算論的メカニズム
Project/Area Number |
09780753
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Neuroscience in general
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
酒井 宏 理化学研究所, 脳回路モデル研究チーム, 研究員 (80281666)
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Project Period (FY) |
1997 – 1998
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1998)
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Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 1998: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 1997: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Keywords | 3次元形状復元 / 陰影 / テクスチャー / 空間位相 / 初期視覚 / 知覚分割 / 3次元知覚 / テクスチャ / 知覚統合 |
Research Abstract |
本研究では、陰影から3次元知覚をする皮質計算過程の理解を目的としている.陰影と表面テクスチャー(模様)の変化は、2次元像である網膜像から、3次元形状の知覚を行うための主要な手掛かりである.しかし、いったん2次元に投影された像から、再び3次元形状を復元することは難しい問題となる.平成9年度は、3次元知覚を引き起こすのは濃淡変化のどのような特徴であるのかを、心理物理実験によって研究した.平成10年度は、心理実験を進めると共に、濃淡の特徴化と3次元形状知覚に関する計算論的研究を行なった. 心理物理実験については、平成9年度に開発した刺激提示ツールを使用して、どのような濃淡変化が3次元構造に由来する陰影と知覚されるかを研究した.実験の結果、初期視覚のレベルでのプロセスが、重要な働きをしていることが判った.特に、知覚分割は3次元知覚に影響を与えない事が示唆された.この結果の一部は、Neurocomputing1999に発表されることが決まった. 計算論的には、どのような特徴量が3次元形状の復元に利用可能であるかを検討した.平成9年度は、テクスチャー変化との比較に重点をおいた.テクスチャーの場合は、コントラスト(magnitude)成分を捨て、周波数成分を特徴化していた(電子情報通信学会論文誌に発表).陰影の場合には、周波数成分を捨て、コントラスト成分を特徴化している可能性が示唆された.平成10年度は、陰影の場合にどのような特徴化が可能であるか検討した.その結果、濃淡の空間位相が関与していることが示唆された. 以上から、陰影からの3次元知覚には、初期視覚が深く関与していることが判った.今後は、初期視覚で特徴化された濃淡の空間位相の情報が、中・高次レベルでどのようにプロセスされていくかについて、研究を発展させていく.
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Report
(2 results)
Research Products
(7 results)