P型カルシウムチャンネルノックアウトマウス作製法を用いた小脳長期抑圧機構の解析
Project/Area Number |
09780760
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Neuroscience in general
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
柴 玲子 理化学研究所, 発生神経生物研究チーム, 基礎科学特別研究員 (90291921)
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Project Period (FY) |
1997 – 1998
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1998)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1998: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 1997: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Keywords | カルシウムチャンネル / 小脳長期抑圧 / プルキンエ細胞 / ノックアウトマウス / リーリン / mDab-1 / プルキニエ細胞 |
Research Abstract |
本研究の目的は、電位依存型P型カルシウムチャンネルをCre-loxPシステムにより小脳ブルキンエ細胞で特異的に欠損させ、小脳長期抑圧におけるカルシウムイオンの役割を解析することである。 本研究者はまず小脳ブルキンエ細胞に特異的に発現するP型カルシウムチャンネルのαlサブユニットのゲノミックDNAを単離し、Cre-loxPシステムを用いてES細胞に組み込むためのベクターを作製した。これをES細胞に導入してスクリーニングを行い、この遺伝子を組み込んだES細胞のクローンを得た。現在このESクローンをマウス初期胚へ導入し、キメラマウスの作製と解析を進めているところである。 このノックアウトマウスを解析するためには、このチャンネルがブルキンエ細胞で欠損することによる小脳の形態形成への影響についての検討が必要であることから、プルキンエ細胞の配列に異常を起こすミュータントマウスのReeler,Yotariを用い、胎生期のプルキンエ細胞の移動に関する解析を行った。 胎生13日目の正常マウス胚から小脳を分離、器官培養すると培養6日目にプルキンエ細胞は整列するが、ミュータントマウスReelerでは細胞の移動は異常であった。Reeletの小脳原基と正常マウスから分離した顆粒細胞とを供培養するとプルキンエ細胞の移動が改善された。さらに、Reeler欠損しており、正常顆粒細胞から分泌されるリーリンを定常的に分泌する細胞株L3を作製し、Reelerの小脳原基と供培養したところプルキンエ細胞の移動が改善された。そこで、さらにリーリン分子のDeletion mutantを作製し、これらのクローンによって合成される蛋白質のどの部分がプルキンエ細胞に作用してその移動を制御しているのかについて解析中である。さらに、この分子がどのようなメカニズムでプルキンエ細胞の移動に関与するのかを調べるため、in vitroで合成したリーリン分子のプルキンエ細部に対する結合実験を組織学的、生化学的に解析している。さらに、リーリン分子によるプルキンエ細胞内における情報伝達経路についてmDab-1のリン酸化およびその結合蛋白の観点から解析中である。
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Report
(2 results)
Research Products
(5 results)