Ca^<2+>チャネルの多様性を生む分子メカニズム-P型チャネルとQ型チャネルの違いはどのような分子機構によるのか?
Project/Area Number |
09780769
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
神経・脳内生理学
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
宋 文杰 大阪大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (90216573)
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Project Period (FY) |
1997 – 1998
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1998)
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Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 1998: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 1997: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Keywords | calcium channels / Q-type / P-type / β subunit / α subunit / patch-clamp / striatum / single-cell RT-PCR / Ca^<2+>チャネル / サブタイプ / 糖鎖 / 綿状体 / パッチクランプ |
Research Abstract |
P型とQ型Ca2+チャネルは薬理学的に分類することが可能であるが、P型もQ型もα1Aによってコードされる。では何故P型とQ型の間に性質が違うのであろう? 本研究では、1)P型とQ型の間の違いはα1Aの糖鎖の違いによる,2)P型とQ型の間の違いは他のサブユニット発現の違いによると言う二つの仮説を検証することを目的としている。平成9年度は主に仮説1の検証を目指した。そのために、P型とQ型チャネルを両方持つ線状体出力細胞の初代培養系を用いて実験を行った。薬理学的にK+チャネルとNa+チャネルを阻害してCa2+電流を単離し、10nMω-Agatoxin-IVAでP型チャネルを分離し、また、Q型チャネルは100nMω-Agatoxin-IVAで分離した。培養液にNeurominidaseを加え、糖鎖を切断することにより、P型チャネルがQ型チャネルへ、或いはその逆へ転換されるか否かを調べたが、転換は認められなかった。また、Tunicamycinを加え、糖鎖の形成を阻害した細胞においてもP型チャネルとQ型チャネル間の転換は認められなかった。よって、P型チャネルとQ型チャネルを区別するものは恐らく糖鎖ではないことが考えられる。 続いてP型とQ型の間の違いは他のサブユニット発現の違いによると言う仮説を検証することにした.ここで、大脳皮質の細胞と線状体の細胞を用いた。Single-cell RT-PC法とPatch-clamp法を組み合わせて研究した結果、大脳皮質の細胞と線状体の細胞の両方ともP型とQ型の電流を持っていること,そして、両方ともクラスAのα1サブユニットを発現していることが分かった。両者の細胞にP型電流の性質に差はなかったが、Q型電流の不活性化の時間経過に顕著な差があった。この差を発生させる理由として、βサブユニットの発現の違いによるのではないかと考え、調べた。その結果、線状体の細胞はβ2サブユニットのmRNAが検出されるのにたいし、大脳皮質の細胞からはβ1bとβ4サブユニットのmRNAが検出された。これらの結果はQ型Ca2+チャネルの性質の決定にはβサブユニットの発現による可能性を強く示唆するものである。現在,これらの結果を整理し,論文にまとめる段階である。
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Report
(2 results)
Research Products
(5 results)