Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 1998: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 1997: ¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
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Research Abstract |
平成10年度は高齢者を対象とした計測を行い,検査用の基準データを収集した.高齢健常者を被験者とし,検査システムの妥当性を評価した.さらに,計測結果を集積することで,個人差および年代差を求めた.また,視聴覚刺激時の注視点および受動的な空間的注意の方向を調べるために,科学研究費により購入したプロジェクタ,差動アンプを組み台わせ視覚刺激・眼球運動計測装置を自作した.さらにシステムの妥当性を検討するために,痴呆症状を呈さない視床下部に障害を持つ脳卒中後の治療過程の患者を対象として検査を行った結果,知覚運動協応の特性が健常高齢者と変わらなかったことから,本検査データの堅牢性を一部示すことが出来た.また,本研究で得られた成果は,高齢歩行者交通事故防止の研究にも進展した.特に,高齢歩行者が事故を回避するためには視野周辺部における聴覚情報が重要であり,その存在により車の見落としが20%減少すること,応答速度が0.1秒早くなることなど明らかにした.残された課題として,痴呆の初期症状を呈する高齢者を対象とした計測を行い,「痴呆の重症度」と「本システムによる計測結果」の整合性を検討することをあげられる.そのために次年度以降は,本システムを医療現揚に移し,外来患者を対象とした検査結果のデータを集積し,痴呆の検査基準の構築を目的としたデータベース化を進める予定である.
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