培養系における神経細胞とシナプス結合の幾何学的制御
Project/Area Number |
09780820
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Biomedical engineering/Biological material science
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
松澤 美恵子 理研, 研究員 (00291089)
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Project Period (FY) |
1997 – 1998
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1998)
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Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 1998: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 1997: ¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
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Keywords | 神経細胞 / 化学修飾 / リソグラフィー / 海馬組織 / 神経突起 / パターン化 / 初代培養 / シナプス結合 |
Research Abstract |
本研究は、哺乳類の中枢神経組織の一部である海馬組織の神経細胞を使い、初代培養下で幾何学的に簡素なシナプス結合を構築していくことを目的とした。そのためには、培養下において幾何学的に海馬細胞の成長・神経突起の伸長を制御させていく必要がある。申請者は、海馬細胞が脳内に持つ独自の形態に注目しつつ培養基板を使った外部的な幾何学操作を細胞に施すことにした。培養基板には、脳内に由来する生理活性分子を化学修飾法とマイクロ加工技術を利用することによりパターン化結合させた有機薄膜を用いた。有機薄膜の物理化学的な性質・幾何学パターン変えることにより、神経細胞の成長形態には様々な変化が見られた。また、時間欠ビデオシステムの利用により細胞体から伸長する神経突起の伸長方向や動きに培養基板が及ぼす効果を調べながら、海馬神経細胞を使ったシナプス結合に最も適した幾何学的なパターンを検討した。幾何学的制御を受けながら培養下で形成された神経細胞集合体は、実際の神経組織で見られるものとは異なるものの、神経組織の成長を細胞レベルまたは分子レベルで調べていく上で神経科学の研究に役立つことと思える。ただし、本研究は、工学的な立場に立っての神経科学研究へのアプローチであり、神経系の形成の仕組を解明しようとするものではない。本研究で試作される幾何学的に簡素化された神経細胞とそれらが作るシナプス結合を実験ルーツとして後の電気生理学的研究に使うことにより、シナプス形成過程における生物物理学的な知見が比較的容易に得られることと期待する。
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Report
(1 results)
Research Products
(6 results)