人間のナビゲーション行動に対する大視野・高解像度刺激提示の効果
Project/Area Number |
09871013
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
実験系心理学
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
佐藤 隆夫 東京大学, 大学院・人文社会系研究科, 教授 (60272449)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
北崎 充晃 東京大学, 大学院・人文社会系研究科, 助手 (90292739)
瀬山 淳一郎 東京大学, 大学院・人文社会系研究科, 助手 (90302653)
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Project Period (FY) |
1997 – 1998
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1998)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1998: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 1997: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
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Keywords | ナビゲーション / 知覚 / ステレオ / 自己運動 / 奥行き / 自己運動知覚 / 重心動揺 |
Research Abstract |
東京大学インテリジェントモデリングラボラトリーの巨大5面ディスプレイ(CABIN)を用いて、人間行動における大視野・高解像度刺激の効果を測定した。特に今年度は、(1)実物大ステレオ写真における知覚、および(2)自己運動知覚に及ぼす奥行きの効果の研究を行った。 (1) ステレオ写真を観察すると「書き割り効果」と呼ばれる現象が生じる。人物の身体の奥行きが実際にはあるのに(物理的な視差情報としては存在するのに)、それが知覚されず映画の書き割りのように、背景から浮き出て、平べったく知覚される。これまで観察距離が実際よりも少ないためにこの現象が生じると言われてきたが、実際の撮影距離とサイズ、観察距離を操作した研究はなかった。結果、撮影距離と観察距離が等しく、網膜サイズも等しいとき、書き割り効果は生じず、奥行きのある身体が知覚された。但し、多くの場合その奥行き量は過小評価された。 (2) これまで視覚刺激からの自己運動知覚においては、手前よりも奥の刺激の方が自己運動知覚に重要であるとされてきた(相対奥行きの効果)。しかし、刺激に対する絶対距離の効果は検討されていなかった。手前と奥に2つの奥行きの刺激を提示するのではなく、1つの面を試行によって異なる絶対距離に提示し(奥行きの手がかりとしては、遠近法および両眼視差)、絶対距離が遠い刺激の方が自己運動に有効か調べた。結果、絶対距離の効果は、相対奥行きの効果よりも小さいものの、刺激までの距離が遠い方が自己運動印象を強くすることがわかった。 このように、人間の行動において、視野が大きいことやその解像度が高いことは重要な意味を持っている。このような刺激を提示できる実験装置を用いることによってこれまで明らかにされてこなかった人間知覚のメカニズムが解明される可能性がある。
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Report
(2 results)
Research Products
(14 results)