Research Project
Grant-in-Aid for Exploratory Research
本年度は本研究の最終年度として、初年度の調査結果を多変量解析により分析し、医療ソーシャルワーカーと看護婦双方の関心領域の専門性モデルを作成した。それは身体・心理・社会の分野に重なりながら展開し、それぞれの視点はそれに基づく知識や技術に裏打ちされているものとして設定した。こうしたモデルに基づく視点の関心領域について、フォーカスグループの項目を提示した。こうして関心領域テストバッテリーの作成を行った。ケアマネジメント過程における発見、アセスメント、プランニング、連携・送致、モニタリング、アドボカシーの各領域に並び変えて、各大項目の下に中項目として、看護婦優位項目、ソーシャルワーカー優位項目、両者関心項目、両者関心項目として、分類した。そのテストバッテリーを、10病院の医療ソーシャルワーカーの25人、同じ病院の併設の訪問看護ステーションまたは訪問看護部門の訪問看護婦20人に施行した。その結果の詳細は現在分析中であり、論文としての発表を来年度には行う予定でいる。バッテリーの使用感を、東札幌病院と大分天心堂病院その他2箇所の病院および訪問看護ステーションにヒヤリング調査を行い、バッテリーの改善についての意見交換を行った。こうした調査の結果、大項目として捉えると、発見要因は福祉、アセスメントは両者、プランニングは両者、連携・送致は両者、モニタリングは看護、アドボカシーは福祉に優位なグループができた。さらに両者優位の項目も中項目におろしてみると、システム項目には福祉、実際行為には看護に優位に強い反応が出た。またモニタリング要因については、訪問看護と病院のソーシャルワークという、地域に向けて実際の活動の場が大きく作用したことが考えられた。今後この成果を踏まえて対人援助の独自性と共通性を明確化する。
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