Project/Area Number |
09871082
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
言語学・音声学
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Research Institution | Mimasaka Junior College (1998-1999) Kobe University (1997) |
Principal Investigator |
桐生 和幸 (1998-1999) 美作女子大学短期大学部, 生活科学科, 講師 (30310824)
松瀬 育子 (1997) 神戸大学, 大学院・文化学研究科, 助手 (60283909)
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Project Period (FY) |
1997 – 1999
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1999)
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Budget Amount *help |
¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 1999: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 1998: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
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Keywords | 述語動詞 / ネワール語 / 日本語 / 対照研究 / 語法研究 / 方向内在型移動述語 / 様態術語 / 移動主体 / 経路 / 対象 |
Research Abstract |
1.研究経過 本年度は、本年度は、研究最終年度として、これまでのデータを取りまとめ、データの妥当性を確保するために現地調査を行い、最終的に「ネワール語基本動詞用例集」として基本動詞345語について、日本語訳、例文とそれに対する英語グロス、日本語訳、また、詳しい語法や類義語との違いをまとめ、冊子体として50部印刷した。 2.研究成果 最終的な取りまとめとして、ネワール語の基本動詞346語について日本語と対照させながら詳しい語法をまとめた。また、その過程で、以下のような点について新しい知見を得た。 1.ネワール語の述語は、アスペクトの点において大きく「状態」対「事態成立」という大きなアスペクト的対立がある事がわかった。このことは、どの動詞も「状態形」と「事態形」を持つということからはっきりとしている。 2.使役接辞-kは、これまでいわれている使役以外にも、(1)日本語のような感情動詞の自他の区別、(2)連語構文における意思性の観点からのV1とV2の一致という場合にも使われることが分かった。 3.ネワール語の格表示が日本語の格表示と異なり、かなり意味に基づいて決まる度合いが強い。 以上の点のうち2番目は、2000年度6月に行われるThe 6th Himalayan Languages Symposium (The University of Wisconsin, Milwaukee)で発表することが決まっている。 3.今後の研究の展開 本萌芽的研究においては、当初の予想以上に多くの成果を得ることができた。特に、日本語と共通する部分が多いものの、日本語との対照を通じて、ネワール語に特徴的な動詞の意味的クラスの特徴が明らかになったといえる。近年においては、英語を中心にVerb Classの研究が盛んであるが、この研究がネワール語におけるVerb Classの研究の土台になったといえる。また、ネワール語は近年話者減少とネパール語との接触による言語的変化が急速に進んでおり、早急に詳細な記述研究がなされるべき時期にあるという観点からも、ネワール語の貴重な一次言語資料を提供できたという点で、今後このような研究がさらに進められる基礎となったと言える。
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