Project/Area Number |
09872001
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Fundamental law
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
青井 秀夫 東北大学, 法学部, 教授 (70004158)
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Project Period (FY) |
1997
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1997)
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Budget Amount *help |
¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 1997: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
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Keywords | 条理 / 法律の解釈 / 欠缺補充 / 発展的法形成 / 比較方法論 / 人格権の法理 / 事物の本性 |
Research Abstract |
申請の研究は、各国の条理裁判の分析を通して、裁判官の法律適用の方法的な構造差を制約している比較方法論的な原点の解明を企図したものである。幸い、1997年の7月末から3ヶ月間ドイツのゲッチンゲン大学法学部の客員教授として招聘されることになり、ヨーロッパの比較法的資料収集もそれだけ容易になり、また当初から企図していた国際的な思想交流や議論は、大いに促進されることになった。模索していた原点は後期ヘックの類型に関するある示唆を小生なりに再解釈するという点に見いだすことになった。 本研究の成果の発表として、97年10月21日にドイツ滞在をしめくくる講演をゲッチンゲンの科学アカデミーで催した。この講演は、本科研費の題目である条理の原理的問題への小生の解答の試みを提示する機会となった。講演のタイトルは、“Die Natur der Sache und die Patternangemessenheit als Stutzpunkt der Rechtsvergleichung"(「比較法の支点としての条理とパタン適合性」)。講演は、シュライバー学長の司会のもとに行われ、ドライヤー、ディーゼルホルスト、シュタ-ク、マイヴァルト、ベーレンツなどゲッチンゲン大学法学部の多くの教授が参加。議論の部で、かれらの様々な角度からの意見や批判に触れることになり諸批判から多大の示唆を得ることができた。シュライバー学長のすすめで、講演草稿である欧文ペ-パ-を比較法関係の雑誌に掲載するべく、目下推敲の最終段階である。そこで得られた知見は、1998年秋の日本法哲学会でも報告することになっている。 本研究の今後の展望としては、この原理的観点をさらに多くの実用的な素材に応用して実証を重ねる課題が残されている。それについては、次年度以降、「血液製剤によるHIV感染薬害の法的処理に関する比較法的法理論的検討」というテーマ設定のもとに科研費を申請しさらなる発展を企図したいと考えている。
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