日本人海外ミドルの本国への逆適応とキャリア発達課題の研究
Project/Area Number |
09873016
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Business administration
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
金井 壽宏 神戸大学, 経営学部, 教授 (80135780)
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Project Period (FY) |
1997
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1997)
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Budget Amount *help |
¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 1997: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | トランジション / キャリア・デザイン / ミドル・マネジャー / 海外勤務 / コミットメント / 理念の浸透 |
Research Abstract |
日本企業さらには日本の産業社会全般のグローバリゼーションの鍵を握るミドル・マネジャーに対する、ロンドンでの調査がこの研究の出発点である。本研究の計画前に収集されていた総計50名のインタビューのうちデータのコーディングと分析が終わっていなかったところをまずデータ・ベース化した。その後、日本から海外に出るのも、海外から日本に戻るのも、キャリアの歩みにおけるトランジションの問題であり、同時にキャリアを計画的に歩もうとするひとたちにとっては、キャリア・デザインの問題でもあることに注目した。キャリア・トランジション論と、キャリア・デザイン論の理論的研究をおこなった。これは、海外勤務を焦点とするトランジション経験のあるミドル・マネジャーの問題の根っこにある理論的問題を照射するものである。海外で活躍する日本人ミドルが長期的に意味のあるキャリアを歩み、日本のさらなるグローバリゼーションのはずみとなるためには、海外で活躍するばかりでなく、日本に帰国した後、どのようにメインストリームの仕事に入り込んでいくかが重要な課題となってくることが判明した。この点についての調査は乏しい。そこで、いわゆる逆適応、あるいはリバース・カルチャー・ショックの研究として本研究を計画段階では、やや狭く位置づけていたが、実は、国内でキャリアを積んでいるひとの場合にも、現場から本部(本社)へ、また、本社からまた現場へのトランジションのときに、本質的に異種同型な(アイソモ-フィックな)問題が存在することがわかったので、コープこうべを調査対象にしながら、これらのトランジションが、コミットメントの深化、理念の浸透度合いの高まりにどのような影響を与えているのかについて、体系的に分析した。ロンドンでの調査フォローは、まだ帰国者が十分なサンプル数存在せず、パイロット段階にとどまっているが、この萌芽的な研究トピックを、今後とも、キャリア・トランジションというより大きな、かつ普遍的な問題の一貫として調査続けるための、理論的枠組みを構築中である。成果は、トランジションとデザインについては『ビジネス・インサイト』に1本既刊で、さらに、トランジションとコミットメントや理念の浸透との関連については、『日本労働研究雑誌』にうひとつの論文が近刊の予定である。また、3月にはロンドン・ビジネス・スクールでおこなわれるキャリアに関するコンファランスでも成果を発表する予定である。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)