Project/Area Number |
09874045
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
General mathematics (including Probability theory/Statistical mathematics)
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
岡本 久 京都大学, 数理解析研究所, 教授 (40143359)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
坂上 貴之 京都大学, 数理解析研究所, 日本学術振興会 特別
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Project Period (FY) |
1997
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1997)
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Budget Amount *help |
¥2,400,000 (Direct Cost: ¥2,400,000)
Fiscal Year 1997: ¥2,400,000 (Direct Cost: ¥2,400,000)
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Keywords | 渦法 / 非圧縮非粘性流体 / オイラー方程式 / 高速和法 / Navier-Stokes方程式 |
Research Abstract |
京都大学理学研究科大学院生の坂上貴之氏との共同研究により、渦層の巻き上げを数値計算でとらえる方法を新たに開発した.2次元非圧縮非粘性流体の中の渦層の運動はBirkhoff-Rott方程式と呼ばれる微分積分方程式で記述される.この方程式は非適切であることが知られており,ごく微小な数値誤差がごく短時間で増大されるためにきわめて数値的に取り扱いが難しいものである.従来はA.J.Chorinが開発した渦法にフーリエフィルターを組み合わせることによってこの困難を克服してきたが,この方法は計算時間がかかるために長時間にわたって渦層を計算することは困難であった.そこで,本研究ではDraghicescuの高速和法という算法を応用して,これまでわからなかった範囲の時間帯まで渦層を計算することに成功した.さらに渦層のごく一部(ほんの2,3%)の部分が大きくひきのばされて巨大な枝となり,渦層の強い混合性を引き起こすことを新たに確認した. Draghicescuの方法は3次元問題では特に有効であり、3次元流れの中の渦層の不安定化現象のシミュレーションを坂上氏が現在鋭意実験中である。そこでは、2次元では見られなかった全く新しい形の不安定性が生じ、それが強い非線形性によって発展する様子を可視化することに現在取り組んでいる。 また、こういった渦運動の数値計算に不可欠な数値手法、すなわち、渦法や関連するポテンシャル問題の高速解法を組織的に研究した.Navier-Stokes方程式の解の安定性についても研究を行ない、ある場合には安定性の交換が生じない、という奇妙な結果を得た.この結果は、Lerayの問題として名高い「定常解の存在・非存在の問題」(それはいままで60年以上にわたって未解決の問題である)がこれまで想像されていたよりもさらに難しい問題であることを示唆するものでもあり、興味深い.
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Report
(1 results)
Research Products
(6 results)