Budget Amount *help |
¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1997: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Research Abstract |
マトロイドの公理を拡張することにより,整数格子点上で定義された整数値をとる関数に対して離散凸関数とでも呼ぶべき概念が得られることが,本研究の開始時に明らかになっていた.連続世界の凸解析におけるルジャンドル変換の離散版を導入することによって,整数格子点上で定義された整数値関数に対して共役関数の概念が定義され,これによって,離散凸関数はM凸性,L凸性といういわば表と裏(数理計画の用語ではprimalとdual)の姿をもつ,M凸性は交換公理の拡張により,また,L凸性は劣モジュラ性の拡張により特徴付けられる.本研究では,以下の結果を得た. 1.L凸集合の多面体的な特徴付けを与えた.とくに,L凸集合が三角不等式を満たす距離関数と同等であることを示した.これは,M凸集合が劣モジュラ不等式を満たす集合関数と同等であるという(既知の)事実に対応する結果である. M凸関数の実効定義域は基多面体であるが,これを,一般化ポリマトロイドの場合に定式化し直したものはM^〓凸関数と呼ばれる(M凸関数の射影がM^〓凸関数である).これに共役な操作(制限)をL凸関数に施したものをL^〓凸関数と名付け,その性質を調べた.これによって,従来の関連研究との関係が明らかとなった.とくに,L^〓凸関数がFavati-Tardellaによる整凸関数に一致すること,離散中点凸性により特徴付けられることを示した. 3.M凸関数,L凸関数に関する離散双対定理の原証明は,M凸関数に対して構成的に最適双対変数を与え,L凸関数に対してはその共役をとるという形であった.本研究では,M凸関数とL凸関数に関して,独立に多面体的な別証明を見いだした.その結果,整多面体と離散凸関数の関係が明確になった.
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