Project/Area Number |
09874071
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
固体物性Ⅱ(磁性・金属・低温)
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
長田 俊人 東京大学, 先端化学技術研究センター, 助教授 (00192526)
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Project Period (FY) |
1997
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1997)
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Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 1997: ¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
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Keywords | 超伝導ネットワーク / フラクソイド / 電子線リングラフィー / 超伝導臨界温度 / Alexander-de-Gennes方程式 |
Research Abstract |
多重連結構造を有する超伝導体である超伝導ネットワークの一様磁場中での超伝導状態は、各々の超伝導ループにフラクソイドを配分する様式によって指定される。外部磁場が変わると最適フラクソイド配列も変わり、ネットワーク形状との整合度に応じて系の安定性、したがって超伝導臨界温度に複雑な変化が現れる。 本研究においては、このフラクソイド配列の整合性と超伝導状態の安定性の関係を明瞭に観測する目的で、フラクソイド配列程度のパターンに空間変調した外部磁場下における2次元正方格子超伝導ネットワークの臨界温度の磁場依存性を研究した。変調磁場下の超伝導ネットワーク上の研究は本研究が初めてのものである。 磁場の空間変調を実現するために、本研究ではA1で作成した2次元正方格子ネットワークにSiO絶縁層を形成し、その上にAu-Pb-In合金の超伝導リングを磁場変調のパターンに合わせて配置した3次元構造を有する超伝導ネットワーク試料を電子線リングラフィー法により作製した。転移温度の高いAu-Pb-Inリングが磁束量子をトラップし、直下のネットワークにかかる磁場を変調する。 基本格子あたり1/3本の磁束量子がはいる一様外部磁場(フィリング1/3)における基底状態のフラクソイド配列パターンで磁場を空間変調した試料の臨界温度の磁場依存性は、一様磁場における複雑な振動構造のうち、特定磁場でのピークが著しく増大した。これは磁場変調パターンと基底状態が整合し選択的に安定化したことを示している。同じフィリングでも、基底状態と整合しない梯子型変調の場合には、このような整合による特定超伝導状態の選択的安定化は起こらなかった。また超伝導ネットワークに対するAlexander-de Gennes方程式を用いて、変調磁場下の超伝導臨界温度の計算も試み、実験結果をよく再現する結果を得た。
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