Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1997: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
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Research Abstract |
全マントルのS波速度およびQ値,さらにS波速度異方性を決定することを試みた。数値実験を行った論文はアメリカ地震学会誌に印刷された。申請時に考えていた研究計画では,用いるデータは多重ScS波のみであったが,その後全マントルのQ値を決定するには多重ScS波に加えて他の地震波を加えること,さらに考慮するパラメータとして,Q値だけでなくS波速度およびその異方性も導入する必要性があることに実際のデータ解析を通して気が付いた。S波速度および異方性の研究のために表面波の解析も加えた。観測点補正も重要であり,この影響を少しでも少なくする目的で気象庁松代精密地震観測室の小アレイのdataを用いて観測点補正のための実験およびデータ解析を行った。表面波の解析の松代アレイデータを用いた研究の両者とも結果は現在印刷中である。また日本列島の場合,太平洋プレートだけではなく中部地方以西ではフィリピン海プレートが沈み込んでいるため,これら2つのプレートの形状の調査,特にフィリピン海プレートの形状と構造は重要であり,フィリピン海プレートの研究も行ない,その研究結果の一部も論文として印刷された。このようにして最初の計画とはかなり表面状変化したが,他の多くの影響の調査も終了し,現在は最初の計画にもどり,さまざまな影響を考慮した多重ScS波の解析を行なっている。本年秋の地震学会で発表する予定である。
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