Budget Amount *help |
¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
Fiscal Year 1998: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 1997: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
|
Research Abstract |
顕著なカンラン石の配向が認められるカンラン岩について高圧下で速度を測定し,7〜8%前後の縦波速度異方性を認めた.この試料について画像解析ソフトにより,2000個以上のカンラン石粒子の形状を効率的に解析し,粒径,面積,周囲長,アスペクト比等の統計的な記載を行った.これら形状パラメータのヒストグラムは力゙ンマ分布あるいは指数分布でよく表され,アスペクト比,円形度,円相当径の平均値(標準偏差)はそれぞれ1.83(0.48),0.66(0.58),59.1(52.7)μmである.また形状パラメータ間に相関が認められ,カンラン石粒子の形状に自己相似性があり,特に粒子の周囲長Pと面積Sとの間にPσS^<0.54>なる関係が認められ,形状パラメータのフラクタル次元は約1.1である. また流動組織の発達した岩石について,縦波速度の最も速いX軸方向(Vpx)と遅いZ軸方向(Vpz)の速度を測定し,速度異方性及びQ値の測定も行った.顕著な層構造を示す成長大理石(トルテス)と緑色大理石(グリーンフロー)について,Vpx=7.07と6.83km/s,Vpz=6.61と6.05km/s,また異方性は6.5と11.4%であった.トルテスはほぼ方解石から成り,速度の速い方向に方解石のa軸が細長く伸びている.方解石のa軸とc軸方向のVpは7.29と5.57km/sである.グリーンハーはほぼ緑れん石と方解石から成り,面構造に平行な面内で流動組織が認められず,鉱物が等粒状等方的に分布し,この面内で速度異方性はほとんどない.さらにこれらの岩石と雲母岩についてQ値の測定も行った.アルミニウムの減衰係数が非常に小さいので,同一条件で岩石とアルミニウムのパワースぺクトルを測定し,その比の対数をとってQ値が求められる.大理石試料について常温常圧でQ=20前後,クラックの認められる雲母岩で小さくQ=3であった.これらの値はこれまで測定された岩石のQ値と調和的であり,また地殻表層で地震学的に調べられているQ値とも一致する.さらに雲母岩の面を磨き顕微鏡写真を撮り,そこから5μmほど磨いて再び顕微鏡写真を振りといった作業を繰り返し,一連の2次元断面から組織の3次元分布のマッピングを可能とした.
|