Project/Area Number |
09874114
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Physical chemistry
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
松本 卓也 大阪大学, 産業科学研究所, 助教授 (50229556)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
北浜 克煕 大阪大学, 産業科学研究所, 助手 (20029903)
|
Project Period (FY) |
1997 – 1998
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 1998)
|
Budget Amount *help |
¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
Fiscal Year 1998: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 1997: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
|
Keywords | 走査プロープ顕微鏡 / 分子移動 / 電界イオン化 / アデニン / DNA / 電気双極子 / ポルフィリン / 走査トンネル顕微鏡 / チタン酸ストロンチウム / 光励起キャリア |
Research Abstract |
本研究課題を実現するには、単一分子について、分析・移動・化学反応などの単位操作を確立しなければならない。平成9年度の単一分子の移動に関する研究に続いて、平成10年度は分子認識と化学反応について研究を行った。 有機分子は多種多様な置換基を持ち、それぞれ特徴的な機能を有する。そこで原子・分子スケールで置換基を識別する実験的、理論的方法を確立することを目的として、エライジン酸分子を走査トンネル男醜城叡STM)により観察した。STM像では、二重結合が明るい輝点・として観察された。しかし、エライジン酸のような脂肪族炭化水素では、イオン化ポテンシャルと電子親和力のエネルギー差は大きく、分子軌道はフェルミ準位近傍の状態密度にほとんど寄与しないと考えられる。このような分子がなぜ画像化されるのかについて、分子分極に注目し、STM像の明るいところでは、分子分極が大きくなっていることを見い出した。さらに分極率の計算結果は、実験とも良く一致することから、分極率の違いをもとに、置換基の種類を同定できる可能陸を示した。 一下方、単一分子の化学反応として、ベンジルエーテルを導入したポリフィリン分子の水素添加反応を試みた。この分子は、4つの置換基を持つが、ペンジルエーテル部の置換基の高さは、他の3つより低い。また、ペンジルエーテル部分のシグマ結合は、コンホメーション変化による大きな自由度を持ち、STM測定のタイムスケールよりはるかに早い運動をしているためSTM観察にけるコントラストは弱くなり、他の置換基と区別して識別できる。探針に白金を用いて、探針表面自身を原子状水素生成の触媒とした単一分子反応を行った。その結果水素化反応の前後において、置換基のうちコントラストの低い部分のみが消失しており、水素添加による結合切断が可能であることを示した。
|
Report
(2 results)
Research Products
(11 results)