Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1998: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 1997: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
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Research Abstract |
ヘキサメチルベンゼン(HMB)を電子供与体,テトラシアノエチレン(TCNE)を電子受容体とする電荷移動錯体の作製を超臨界流体中で行ない,生成した電荷移動錯体の組成への温度・圧力効果,結晶成長の最適温度の確立とリーク速度の影響,非極性及び極性超臨界流体の効果などについて検討した。 仕込み濃度が等しくなるように,各溶質を圧力容器内に入れることにより短時間(準備から終了まで3〜4時間)で電荷移動錯体の結晶を得ることができた。温度は必ずしも流体の臨界温度にできるだけ近づける必要はないが,あまり離れすぎても良くないことが明らかとなった。流体の極性,非極性の違いは明確ではなく,電子供与体と電子受容体が十分溶解する温度と圧力をうまく制御することが重要であった。また,両溶質の溶解度が急激に小さくなる圧力近傍で,流体のリーク速度を遅くすることが鍵であることも分かった。リーク速度が速いと長さ2〜3mmの針状結晶が,リーク速度が極めて遅いと長さ10mmを越える金属光沢を有する針状結晶を多数得ることができた。一方,ナフタレンとTCNEの組み合わせでは,金属光沢を有する長さ約3mm前後の板状結晶を得た。また,いずれの錯体も電子供与体と電子受容体が1:1で生成していることを元素分析から確認した。 また,ベンゼン,トルエンなどの常温で液体の電子供与体を用いて,TCNEとの錯体の結晶化を試みたが,錯体の結晶化は成功しなかった。
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