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¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 1997: ¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
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Research Abstract |
本研究の目的は,単細胞緑藻クラミドモナスの栄養欠乏ストレス順化能変異株を,セルソーターを用いて選抜する方法を開発することである。クラミドモナスは,リン酸欠乏条件下に置かれると,細胞表層にアルカリフォスファターゼを誘導する。木研究では,抗クラミドモナスアルカリフォスファターゼ抗体を作成し,細胞表層のフォスファターゼの有無を蛍光抗体法により標識することにより,リン酸栄養欠乏条件下でフォスファターゼの分泌の有無をセルソーターを利用して判別し,分泌誘導変異株を選抜するという系の開発を目標とした。なお,系の開発は,実験計画書に記載した通り,この系の他,硫酸欠乏によるアリルサルファターゼ誘導系,低CO_2によるカーボニックアンヒドラーゼの誘導系の利用も考慮した。まず,直ちに入手できる状態にある抗カーボニックアンヒドラーゼ抗体(楊らによりポリクロナール抗体として作成済み)を入手して調べたところ,この抗体は,特異怯が低く,実用にならないことか判明した。本研究室ではフォスファターゼ誘導能を欠くリン酸欠乏順化能変異株をすでに有しているため,これを対照実験や材料として使えるメリットがある。そこで研究対象をリン酸欠乏によるアルカリフォスファターゼ誘導系に絞ることにした。まず,抗体作成のため,リン酸欠乏ストレスをかけてアルカリフォスファターゼを誘導させたクラミドモナスより,この酵素を大量調製した。予想以上の収量を上げることに成功したので,当初予定したモノクロナール抗体ではなく,より安価に行えるポリクロナール抗体をウサギで委託作成した。得られた抗クラミドモナスアルカリフォスファターゼ抗体を一次抗体,FITC結合抗ウサギIgG抗体を二次抗体として,実際にクラミドモナスが蛍光抗体染色可能であることを蛍光顕微鏡で確認した。現在,セルソーターによる抗体標識細胞の選抜条件の検討を行っている。
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