半導体表面近傍に偏析した分子状不純物の紫外線レーザラマン分光法による高感度分析
Project/Area Number |
09875011
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
表面界面物性
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
宮崎 誠一 広島大学, 工学部, 助教授 (70190759)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
香野 淳 広島大学, 工学部, 助手 (30284160)
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Project Period (FY) |
1997
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1997)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1997: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
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Keywords | 表面層高感度分析 / 紫外線レーザラマン散乱 / アモルファスシリコン / ネットワーク形成 / 水素結合 / 不純物イオン注入 / 非結晶化 / 非破壊分析 |
Research Abstract |
厚さ100nm以内のシリコン表面層の高感度分析技術の開発を目的として、短波長レザー光を励起光源として用いたラマン散乱分光システムを構築し、その分析能力を実験的に評価した。モノシラン(SiH_4)のグロー放電分解により、堆積温度250℃で、Cr蒸着Si基板上に水素化アモルファスシリコン(a-Si:H)薄膜を1〜5nm堆積した。He-Cdレーザ光(波長325nm或いは442nm)励起により、直角散乱及び垂直散乱配置の光学系で、ラマン散乱スペクトルを測定した。その結果、膜厚1nmでは、SiH_x(x=2,3)結合のロッキングモードによるラマン散乱信号(中心波数〜640cm^<-1>)が支配的であり、膜厚2nmになると、480cm^<-1>付近にa-Siネットワークに特徴的なブロードなTOフォノンモードが観測される。これは、a-Si:H膜堆積表面には高次結合水素が支配的に存在し、膜厚2nm以上で、a-Siネットワークの形成が進行する事を示している。この結果は、赤外全反射吸収分光による表面結合水素のその場分析結果とよく一致する。更に、膜厚が増加すると、結合水素のロッキングモードによるラマン散乱信号では、SiH結合の信号(630cm^<-1>)が支配的になると共に、a-Siネットワーク形成の進展を反映して、a-SiネットワークTOモードに加えて、TA(150cm^<-1>),LA(320cm^<-1>)およびLO(400cm^<-1>)の信号が顕著に観測される。本システムを用いることにより、極めて浅い表面層を高感度分析できることが確認された。ただし、波長325nm励起では、442nm励起の場合に比べ、励起強度が、約30%に低下することに加えて、検出器の感度が半減するために、SN比は約一桁低下することが明らかになった。この他、厚さ10nmのSiO_2膜を通して、エネルギー10keVのAs^+イオンを5×10^<15>ions/cm^2注入したSi基板を本ラマン散乱分光システムにより分析した結果、厚さ約20nmのイオン注入層が非晶質化されていることを非破壊で確認できた。さらに、850℃6分間の熱処理により、非晶質化イオン注入層がほぼ完全に結晶化することも非破壊分析できた。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)