Research Abstract |
均質等方性弾性体中の点(線)震源による弾性波動場は完全に解かれており,その解はグリーン関数として応用されている.また,直交直線座標系での直交異方性体中の波動場を与えるグリーン関数は多少数値的なきらいもあるが,一応求められている.極異方性体を対象とした本研究はこれに続くものであり,円柱座標系での直交異方性体の弾性波動場を与えるグリーン関数解を求め,その波動場,特に波面形状の時間発展を明かにすることを目的としている. 本研究は平成9・10年度の2年間に渡る継続研究である.初年度は極異方性体中の波動場を支配する連立波動方程式を導出し,調和震源と衝撃震源によるグリーン関数解を無限級数形で求めた.この級数の係数は漸化式として求められた.しかし,本年度はこの漸化式を解くことに成功し,級数の厳密な表示式を得た.その成果は国際会議(4^<th> Int.Conf on Theoretical and Computational Acoustics:Itary,1999-May)にて発表される.また射出成形品の繊維配向変化をモデル化した異方性主軸が深さ方向に回転しながら変化する媒体中のSH波について解析を行ない,波線とエネルギー方向との相違や衝撃波の波面形状を明かにした.この成果は国際会議(3^<rd> Int.Symp.on Impact Engineering '98;1998-12,Singapore)にて発表された.また,関連問題として熱的極異方性体中の点熱源によるグリーン関数解が発見され,国際研究誌(ZAMM,Vol.78,No.5,pp.359-363)に掲載され,その熱応力解が国際会議(Thermal Stresses'99;Poland,1999-June)で発表される.
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