Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 1998: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 1997: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Research Abstract |
クライオクーラの蓄冷器はメッシュ(金網状膜)が多層に重なり合った一種の多孔質固体で出来ており,熱エネルギーの温度勾配遡上方向への輸送を可能にしている.この蓄冷器と往復流動する熱媒体の間の熱移動現象を司る基本構成要素は,メッシュを構成する各細線と流体との間の非定常熱伝達および細線内部での非定常熱伝導である.昨年度は往復動流下において,細線を模擬した円柱周りの熱流動場の二次元非定常数値解析を行い,その結果得られる速度情報を用いて温度場を予備的に解析・検討した.本年度も引き続き,その二次元非定常数値計算を行い,併せて計算コードの三次元化へのアプローチについても検討を加えた.また,これとは別に,蓄冷器を多孔質固体総体として取り扱う形で,非ダルシー則を導入した熱的非平衡モデルを考案し,非定常数値解析を行った.その際,(1)非圧縮性流体,(2)時間と横方向座標のみに依存する完全発達流れの速度分布,(3)軸対称温度分布,(4)温度場に比べて早く定常状態が実現する速度場,の四項目を仮定として設け,この解析法の有効性を確認した.得られた結果として,多孔質体内での速度は固体壁近傍を除いて一様に正弦波的に変化する.この場合,圧力勾配は速度とある位相を保って変化する.空隙率が増すと,流れの非定常性が現れやすくなり,高次の調和振動が起こる.この高次の調和振動は有効摩擦係数に重大な影響を及ぼすことが分かった.また,再生器の効率はレイノルズ数が10^4であっても,通常のメッシュスクリーンの場合,0.9程度の高い値をとる.空隙率が増すと,温度変動の振幅はより大きくなり,再生器の効率が低下するということも分かった.
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