Project/Area Number |
09875079
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Electronic materials/Electric materials
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Research Institution | The University of Electro-Communications |
Principal Investigator |
野崎 真次 電気通信大学, 電気通信学部, 助教授 (20237837)
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Project Period (FY) |
1997
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1997)
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Keywords | 銅フタロシアニン / ダイオード / 配向性 / X線回析 / ロッキングカーブ / 光応答 / シリコン基板 |
Research Abstract |
水素終端したSi(111)基板上に室温で分子線エピタキシ-法にて、銅フタロシアニン(CuPc)薄膜を作製した。作製された薄膜における分子の分子結晶の配向性をX線回析により評価した結果、X線回析ピークが二rheta=6.8°にのみ表われた。このピークは、α型CuPc結晶の(200)面に対応し、CuPc薄膜は、a軸配向し、CuPc分子がSi基板上に垂直にたって並んでいることが理解される。CuPc薄膜がα型の結晶構造をとるという結果は、X線全反射測定による電子密度の計算結果やFT-IRスペクトルによる結晶型の判定結果と一致する。さらに詳細に配向性を調べるために上記の回析条件付近でのX線ロッキングカーブを測定した。スペクトルは非常にシャープなピークとその両端のブロードな部分にはっきりわかれ、配向性のよい部分と悪い部分の2層から薄膜は形成されていると推察される。特に、配向性のよい部分は単結晶にも匹敵するほどシャープなピークなので、偏向顕微鏡で試料を回転しながら観察したところ試料全体が常に明るかったので単結晶ではないと判断される。配向性のよい部分の膜厚は薄膜成長前のSi基板表面の化学処理法に依存し、自然酸化膜が残るほど配向性のよい部分は少なくなるようである。 また、通常ノンドープの銅フタロシアニンはP形の導電性が得られることより、n形Si基板を用いることにより、金電極を形成しSi/銅フタロシアニンのpnヘテロ接合ダイオードが作製し、そのl-V特性を測定した。ダイオードとして漏れ電流も多く、整流性も悪くまだまだ改善の余地があるが、光を照射すると太陽電池として起電力を示した。大きなバンドギャップを有する銅フタロシアニンはSiの窓となり高効率太陽電池が期待される。
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