Project/Area Number |
09875153
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Inorganic materials/Physical properties
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Research Institution | Nagaoka University of Technology |
Principal Investigator |
高田 雅介 長岡技術科学大学, 工学部, 教授 (20107551)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野口 祐二 長岡技術科学大学, 工学部, 助手 (60293255)
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Project Period (FY) |
1997
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1997)
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Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 1997: ¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
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Keywords | 高温超伝導体 / GdBa_2Cu_3O_<7-δ> / ホットスポット / 新規焼成法 / 臨界電流密度 / 粒成長 / PTCR / ゾーンメルティンダ |
Research Abstract |
高温超伝導体として知られているCdBa_2Cu_3O_<7-δ>セラミックスの線材に室温で一定以上の直流電圧を印加すると、試料上に局所的に赤く光る赤熱領域が発生し、その赤熱点が電流方向に毎分数mmの速度で移動するという新しい現象を見いだした。その後の研究で、この移動は赤熱点内部における酸化物イオンの移動および線材試料の不均一性に起因していること、また赤熱点の温度は約900℃であることがわかってきた。本研究では、赤熱点の温度が試料の焼結温度と同程度であることに着目し、赤熱点による熱処理が試料の微細構造および臨界電流密度J_cに及ぼす影響について検討した。 試料の微細構造およびJ_cに及ぼす赤熱点による熱処理の効果を調べるため、電流方向を反転させることにより赤熱点を試料上で往復させた。赤熱点による熱処理の後、酸素アニールを行った試料の77KにおけるJ_cの磁場依存性を測定した。 その結果、赤熱点の往復回数の増加に伴いJ_cは上昇した。ゼロ磁場での値を比較すると、赤熱点が2.5往復した試料のJ_cは、赤熱点による熱処理を行っていない試料の約4倍の値となった。このようなJ_cの上昇は、赤熱点による熱処理により試料の微細構造が緻密になり、結晶粒子同士の接合面積が増大したためと考えられる。このことから、赤熱点による熱処理回数が多い、つまり熱処理時間が長いほどその熱処理効果が大きいことがわかった。ここで熱処理時間を長くするもうひとつの手段として、スポットサイズを大きくすることが考えられる。しかしながら、室温で赤熱点を発生させた場合、スポットサイズが10mm足らずで試料は断線してしまう。そこで、雰囲気温度を高めることにより、室温で赤熱点を発生させた場合よりも高い電圧の印加が可能となり、その結果、より大きな赤熱点を得ることができた。
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