Project/Area Number |
09875182
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Metal making engineering
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
鈴木 亮輔 京都大学, エネルギー科学研究科, 助教授 (80179275)
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Project Period (FY) |
1997
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1997)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1997: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
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Keywords | オゾン / 過酸化銀 / 過酸化クロム / 熱力学 |
Research Abstract |
オゾン(O_3)を非平衡・高濃度に含むオゾン-酸素混合ガスは、純酸素の1万倍もの高い化学ポテンシャルを有するきわめて化学活性な酸化剤であり、高温状態に未分解のオゾンガスを多量に導入できれば酸素ガス1気圧では到達し得ない酸化性雰囲気を達成しうるとの着想を得、下記のオゾンガスを用いた新しい研究に着手した。 はじめに、超高濃度10%O_3の最新鋭オゾン発生器を用い、防毒防爆対策を施した小型炉を試作した。強化テフロン水冷管で高温の物質に直接オゾンを作用させ得ることを、本補助金により新設したオゾン濃度計により確認できた。試行的に270℃の純銀に9%O_3オゾンを作用させたところ、Ag_2O以外に高酸素圧相AgOを合成できた。過酸化銀合成は、従来は高温超高圧酸素の下、もしくは強アルカリ水溶液中の強い陽極酸化でのみ合成可能であった。 次に、報告例のない酸化クロムに対して作用させると、同様に5種類の過酸化クロムの合成に成功した。これらの実験はオゾン-酸素混合ガスの高い化学活性を意味し、熱平衡的には存在し得ない量のオゾンが高温で酸化ガスの化学ポテンシャルを高め得ることを発見したものである。 第三に1300℃の溶融高炭素綱にオゾン-酸素混合ガスを吹き付け、溶鉄中の炭素除去を促進する効果があることを確かめた。オゾン濃度計による計測からオゾンの熱分解による噴流が酸素ガスの溶鋼対流効果を促進したものと認められる。 以上、広いダイナミックレンジのオゾン濃度計によって高温における超高濃度オゾンガスの熱安定性を把握することができたので、オゾン吹き付けによって過酸化物が合成できるかどうかを調べると、過酸化物の高温における熱力学データ集積が可能であるとの知見を得た。
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