Project/Area Number |
09875192
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
触媒・化学プロセス
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
大塚 康夫 東北大学, 反応化学研究所, 助教授 (20091663)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
王 野 東北大学, 反応化学研究所, 助手 (40292304)
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Project Period (FY) |
1997
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1997)
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Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 1997: ¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
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Keywords | メソポーラス触媒 / 熱分解タール / 軽質化 |
Research Abstract |
平均細孔径が2〜50nmのメソポーラス物質は2nm以下の従来の合成ゼオライトに比較して、大きな分子の反応や分離の場として注目されている。一方、石炭の熱分解時に発生するタール状物質には、高付加価値の多環芳香族化合物が多量含まれているが、生成物分離が容易でないため充分には活用されていないのが現状である。本研究では、両者を組み合わせて、熱分解タールのin situ改質を試みた。 メソポーラス触媒はモ-ビル法に準じて合成し、また、金属イオンを導入することも試みた。空気中600℃焼成後のMCM-41のX線回折測定を行い、回折パターンや(100)面の強度がモ-ビル法のものと同等であることを確認した。N_2吸着より求めたこの触媒のBET比表面積は1070m^2/gであり、平均細孔径は2.2nmであった。石炭試料としては、オーストラリア産の亜歴青炭(揮発分40wt%)を用いた。これとMCM-41を機械的に混合した後石英製常圧流通式反応管に充填し、高純度He流通下1000K/minで加熱し所定温度熱分解した。沸点範囲の異なる液体生成物を2段階で捕集した後、H_2、CO、CO_2、CH_4などをガスバッグに回収した。低沸点のオイル成分はキャピラリーガスクロマトグラフで分析した。 石炭のみを熱分解した場合と比べて、MCM-41が存在すると、ガス中のオレフィンが増えるとともにオイル収率も増加し、一方、重質タールの割合は減少した。このように、石炭より脱離した高沸点タールの軽質化に対して、MCM-41触媒が有効であることが明らかとなった。また、オイル分中の2環〜3環の芳香族化合物が増加することも判明した。触媒の結晶構造は熱分解後もほとんど変化していなかった。さらに精密な生成物解析を行うことにより、触媒中の細孔径と生成物選択率の関係を明らかにし、また、触媒の耐久性を検討することが、今後の課題である。
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