ビニリデン・ロジウム錯体の関与する触媒的ラジカル反応に関する研究
Project/Area Number |
09875227
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Synthetic chemistry
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
大江 浩一 京都大学, 工学研究科, 助教授 (90213636)
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Project Period (FY) |
1997
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1997)
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Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 1997: ¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
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Keywords | ビニリデン・ロジウム / エンジイン / ジラジカル / 炭素・炭素結合生成 |
Research Abstract |
ビニリデンカルベン(RHC=C:)は、その反応性や合成単位としての利用の点で興味ある高活性中間体である。本研究では,新しい触媒反応系の開発を目的に,この不安定活性種を金属錯体の形で発生させ高選択的合成反応に利用した。その結果,反応の過程で発生する有機金属ジラジカル中間体を組み込んだ新規炭素-炭素結合生成反応を見出した。 (1)末端アセチレンを含むエンジイン化合物を合成し,一価ロジウム錯体触媒存在下での触媒反応を検討する。本反応により不飽和側鎖基を有する芳香族炭化水素が得られるが,本反応の一般性を検討した。また,中間体と考えられるビニリデンロジウム錯体(RCH=C=Rh)を別途合成し,反応が確かにこの中間体を経由していることを明らかにした。 (2)次に,上記反応ではアレンエンイン系で起こる環化(Saito-Myers型環化反応)により有機ロジウム1,4-ジラジカルが発生すると予想された。この金属を含む1,4-ジラジカルの合成化学的利用を目的に、種々のアルケン共存下で反応を行い新規炭素-炭素結合生成反応を開発した。また,本反応を分子内反応にも展開し,効率的な多環状化合物の合成に成功した。 (3)トリアルキルケイ素が置換した鎖状エンジイン化合物を一価ロジウム触媒存在下反応させると,中間体1,4-ジラジカルにおいて硅素上のアルキル基から選択的に1,6-および1,7-水素移動が起こり最終的に2-シラテトラリンおよび2-シラベンゾシクロヘプタンがそれぞれ生成した。また,本反応の一般性ならびに合成化学的有用性を示した。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)