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¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
Fiscal Year 1997: ¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
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Research Abstract |
二種の屈曲鎖を含む主鎖型高分子において,屈曲鎖炭素数がともに奇数でかつ相互に偏析をしてスメクチック相が形成されるならば,強誘電相となることを対称性の考察より明らにし,その実験的証左を与えるべく研究を行った。 主鎖型高分子として,ヒドロキシビフェニルカルボン酸をメソゲンとし,エステル結合で連結した屈曲鎖(炭素数 n)とエーテル結合で連結した屈曲鎖(炭素数 m)を有する一連の高分子を合成し,液晶の構造・物性を調べた。その結果,n=3,m=11〜19,またn=5,m=15〜19の高分子において,分極方位が,5nm を周期とし,規則的にドメイン反転した特異なフラストレイト スメクチック液晶相が出現することを明らかにした。その構造は,反強誘電相とみなすことができるが,三安定状態のスイッチング挙動をとらえるには至らなかった。一方,同じ考え方を二量体化合物にも拡張し得ることを示すとともに,これらの系においては,強誘電相,反強誘電相に由来する明確なスイッチング現象を観測することができた。この強誘電,反強誘電相はアキラル分子系としては二番目の発見例である。
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