Research Abstract |
本年度は,プラズマ発生装置による空気プラズマの発光温度測定と,バーナー火炎中のNOのレーザー誘起蛍光法による温度測定を行った. (1) プラズマ発生装置による空気プラズマの温度測定 誘導結合プラズマ(ICP:Inductively Coupled Plasma)装置の作成を完了して,分光器とCCDカメラを用いて0.06〜0.7Torrの低圧空気の発光分光スペクトルを280〜450nmの波長領域で測定した.発光スペクトルからは,N2,NO,N_2^+の化学種が同定できた.又,NASAのNEQAIRプログラムのスペクトルデータを基にして,最も強く観測される窒素分子スペクトルを解析して,その振動温度を決定した.測定した圧力範囲では,4000〜6000Kの温度を得た.又,圧力の低いほど温度が高い傾向を得た.これは,低圧ほど分子1個に対するエネルギー供給が大きくなるためであると考えられる. (2) 火炎中のNOのレーザー誘起蛍光法による温度測定 大気圧・当量比1のメタン-空気予混合火炎中に,Nd:YAGレーザーの第3高調波である波長355nmを用いて色素レーザーを励起して,452nm近傍の波長を発振させ,BBO結晶を用いて倍波を発生させ,225,178nmと226.575nmの異なる2つの励起線を用いた場合の247nm近傍の蛍光スペクトル平面分布を,干渉フィルターとCCDカメラを用いて,別々に測定して,強度比から温度分布を決定した.又,レーリー散乱によっても温度決定ができるため,両者を比較した.その結果,1000〜2000kの範囲で,2つの温度測定値は約5%以内の差にあることが分かり,測定結果を妥当なものと判断した.
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