ヒト血中のメイラード反応による親水性ヒドロペルオキシドの生成とその細胞毒性
Project/Area Number |
09876020
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
応用微生物学・応用生物化学
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
宮澤 陽夫 東北大学, 農学部, 教授 (20157639)
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Project Period (FY) |
1997 – 1998
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1998)
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Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 1998: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 1997: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Keywords | 酸化ストレス / メイラード反応 / ヒドロペルオキシド / 化学発光 / 糖尿病 / 過酸化物 |
Research Abstract |
糖尿病などの高血糖環境における細胞障害の発生機構を明らかにする目的で、生体内組織分子間のメイラード反応で生成する新規親水性ヒドロペルオキシドの検索、構造解析、生体分子との反応性、組織機能の改変に与える影響を研究した。はじめにグルコースとアミノ酸(β-アラニン、リジン、牛血清アルブミン、ヒト血清アルブミン)によるモデル系でのメイラード反応において過酸化水素のほかに過去に報告例の無い数種の新規親水性ヒドロペルオキシドが生成することを反応生成物の化学発光検出-高速液体クロマトグラフ(CL-HPLC)分析で明らかにした。この新規生成物の主成分のひとつを元素分析、核磁気共鳴スペクトル分析、質量スペクトロメトリーなどによりピロンヒドロペルオキシド(3-ヒドロキシ-5-ヒドロペルオキシ-2-メチル-5,6-ジヒドロピラン-4-オン)であると決定した。そこでこの新規生成物のヒト体内での生成の可能性を検証するためヒト血液での存在を調べた。その結果、ヒトの血漿と赤血球膜にこの新規ヒドロペルオキシドの存在が確認され、さらに糖尿病などの高血糖状態で高値を示すことがわかった。この新規親水性ヒドロペルオキシドはヒト血清アルブミン(HSA)と反応し蛍光性のHSA架橋物を生じこれに伴いHSAのリジン残基は修飾されアルブミン分子の減少が認められた。またこれが血清リポ蛋白質を強く変性することが明らかになった。本研究により、新たに発見された新規親水性ヒドロペルオキシドの生成が糖尿病の発症に強く関わると推定された。
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Report
(2 results)
Research Products
(4 results)