Project/Area Number |
09876078
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Basic veterinary science/Basic zootechnical science
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
大塚 治城 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 教授 (80261957)
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Project Period (FY) |
1997 – 1998
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1998)
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Budget Amount *help |
¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 1998: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
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Keywords | リーシュマニア症 / Th-1 / 組み換ウイルスワクチン / LACK / L.donovani / ワクシニアウイルス / L.amazonesis / 組み換えワクチン / RT-PCR / 人獣共通感染症 / PROMASTIGOTE / L.chagusi |
Research Abstract |
リーシュマニア原虫は、WHOによって、熱帯および亜熱帯地域における六大感染症の一つに指定されている人獣共通感染症であるリーシュマニア症を引き起こす。リーシュマニア原虫の感染防御には、感染初期におけるTh-1によるマクロファージの活性化、および原虫由来抗原による持続免疫の重要性が指摘されている。組み替えウイルスワクチンは、抗原の持続的な発現を行う上で有効な手段であると考えられている。今回我々は、L.donovaniのLACK cDNAを組み込んだ組み換えワクシニアウイルスを構築し、組み換えワクシニアウイルス感染細胞でのLACK蛋白質の発現をin vitroで確認した。 「材料と方法」 L.donovani LACK cDNAの蛋白質コード領域を、ワクシニアウイルスのThymidine kinase遺伝子およびその中心に挿入されたワクシニアウイルスp7.5 promoterを持つ発現カセットを含むpAK8プラスミドのSaΛ siteに組み込み、弱毒株であるワクシニアウイルスLc16m0株を用いた相同組み換えによって、LACK cDNAが組み込まれた組み換えワクシニアウイルス(reVV/LACK)を作出した。また、GST Gene Fusion Systemを用いて大腸菌により組み換えLACK蛋白質を発現させ、この組み換えLACK蛋白質を抗原としてマウスに腹腔免疫することによって、抗LACK抗血清を調製した。得られた抗血清の免疫特異性をL.donovaniおよびL.amazonensis虫体を抗原として用いた蛍光抗体法、およびwestern blotting法により確認した。また、reVV/LACK感染細胞におけるLACK蛋白質の産生をweatern blotting法により確認した。 「結果および考察」 L.donovaniおよびL.amazonensis虫体を抗原として用いた蛍光抗体法により、LACK蛋白質が原虫細胞内に顆粒状に認められた。また、western blotting解折の結果、LACK蛋白質の分子量は、約33kDaであった。一方、reVV/LACK感染細胞を抗原としたwestern blotting解析によって、感染細胞内で、LACK蛋白質が産生されていること、およびその分子量が原虫由来のLACK蛋白質と同様に約33kDaであることが示された。以上のことから、組み換えワクシニアウイルスにより動物細胞内でLACK蛋白質が発現されること、さらに組み換えLACK蛋白質、リーシュマニア原虫内のLACK蛋白質およびreVV/LACKによって産生されるLACK蛋白質が同様の抗原性を保持していることが示唆された。
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