卵胞顆粒層細胞にのみ特異的にアポトーシスを誘導する新規な細胞死受容体の探索
Project/Area Number |
09876080
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Basic veterinary science/Basic zootechnical science
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
眞鍋 昇 京都大学, 農学研究科, 助教授 (80243070)
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Project Period (FY) |
1997 – 1998
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1998)
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Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 1998: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 1997: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
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Keywords | 卵巣 / 卵胞 / 顆粒層細胞 / アポトーシス / 細胞死受容体 / ブタ / モノクローナル抗体 / Decoy受容体 / モノクロナール抗体 / ブタ卵巣 / カスパーゼ / 免疫化学 |
Research Abstract |
哺乳類の卵巣においては、周期的に一定数の卵子が排卵される過程で99%以上の卵胞がその発育過程において選択的に死滅させる機構が存在する。近年、この卵胞選抜機構に顆粒層細胞アポトーシスが支配的に関与していることが分かってきた。顆粒層細胞にアポトーシスを誘起させる新規細胞死受容体を探索すべく、顕微鏡下に容易に卵胞を構成する内外卵胞膜細胞、顆粒層細胞、卵丘細胞、卵母細胞を分離調製できるブタ卵巣を材料とし、顆粒層細胞にのみ局在する膜結合性糖蛋白(新規細胞死受容体)を特異的に認識するモノクロナール抗体を作成した。この抗体はlgMクラス抗体で、免疫組織化学法およびウエスタンブロット法では、顆粒層細胞とのみ反応し、胸腺、肝、精巣など既知細胞死受容体であるFasやTNF受容体が局在する器官を含めて他の器官では陽性反応を検出できなかった。健常卵胞から調製した初代培養顆粒層細胞を抗体を1μl以上添加した培地にて3時間以上培養した場合、特異的にアポトーシスを誘導できた。このアポトーシスは肝細胞や胸腺細胞では誘発されなかった。この抗体によって誘導されるアポトーシスは、培地中にカスパーゼ様プロテアーゼ阻害剤を添加すると、その幾つかで阻害された。抗原の分子量、等電点、カスパーゼ様プロテアーゼ阻害剤に対する阻害スペクトルなどの生化学的特性、免疫化学的特性、組織化学的局在などが細胞死受容体であるFas/TNF受容体ファミリーに類似するものの、既知の何れとも異なる。これらの所見から、卵胞にのみ局在する新規な細胞死受容体であると考えられる。また、lgM抗体によるアポトーシスを阻害し、顆粒層細胞の細胞膜蛋白を認識するlgGクラスモノクロナール抗体を作成した。この抗体はDecoy受容体を認識するものと考えられ、卵胞の生死が特異的細胞死シグナル-受容体のみならず、偽受容体による細胞死シグナルからの回避によっても制御されていることを新たに提示した。
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Report
(2 results)
Research Products
(16 results)