体液の電解質レベルの上昇によって誘導される新規蛋白質のクローニング
Project/Area Number |
09877034
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Pathological medical chemistry
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
岡本 光弘 大阪大学, 医学部, 教授 (90028613)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
竹森 洋 大阪大学, 医学部, 助手 (90273672)
|
Project Period (FY) |
1997 – 1998
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 1998)
|
Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 1998: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 1997: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
|
Keywords | 高塩食 / ナトリウム食 / カリウム食 / 副腎 / 腎臓 / プロテインキナーゼ |
Research Abstract |
哺乳動物の体液に含まれる電解質の濃度はきわめて厳密に制御されている。電解質の中でもとくにナトリウムとカリウムは重要で,血漿中のこれらのイオン濃度が急激に極端に変動すると循環機能や神経機能の重篤な異常を招くし,慢性的な高ナトリウム,低カリウム血症は高血圧症を引き起こす。これらの病態がどのような分子機構で起こるのかについては未解明の部分が多くある。 われわれはラットにカリウムあるいはナトリウムを負荷した時と正常飼料で飼育した時とで発現量が明確に異なるmRNAのcDNA断片を偶然に単離した。この断片の塩基配列(220bp)を決定し既知遺伝子の塩基配列とのホモロジー検索を行ったところ,この断片は新規の遺伝子に由来するものであることが分かった。新規遺伝子のmRNAは正常食飼育の副腎にはほとんど存在しないが,高塩食,とくに高カリウム食飼育で高いレベルの発現が認められたそこでこの遺伝子の全長cDNAをクローニングした。この遺伝子はSNFl/AMPKファミリーに属する新規のセリン/トレオニン・プロテインキナーゼをコードする,そして副腎皮質に由来する細胞株であるY1細胞をACTHで刺激すると30分以内にメッセージが著明に増大する,またラットにACTHを腹腔内投与すると副腎のmRNAレベルが著明に上昇するととなどが分かった。これらの結果は新規プロテインキナーゼが副腎皮質機能の発現シグナルあるいは副腎皮質細胞の増殖シグナルに深く関わることを示唆している。これまでの結果をまとめて第71回日本生化学会大会において発表し,さらに論文にまとめて学術雑誌に投稿中である。
|
Report
(2 results)
Research Products
(8 results)