Budget Amount *help |
¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
Fiscal Year 1998: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 1997: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Research Abstract |
本年度は皮膚光線角化症の間期染色体につき,nonisotopic in situ hybridization(NISH)法による解析を目的としたが,表皮およびその病変にはalpha satellite DNA プローブが浸透し難く,また,通常のDAB発色ではNISH陽性部位とメラニン色素との区別がつけ難く,技法の改良が必要であった.各種の切片前処理法を検討した結果,500μg/ml proteinase K/0.1%Triton X-100/PBS(pH7.5)の溶液で50℃,5-10分消化後,2XSSC,pH7.0,37℃で30分incubateし,エタノール70,80,95%に各2分間浸す方法を考案した.スライド上切片はdenaturationを70%formamide/2XSSC,pH7.0,70℃で2分行い,直ちに冷エタノール70,80,95%に各2分浸した後,風乾した.また,プローブ混合液は70℃,5分でdenature後,急速に冷却した.発色に関しては,ジゴキシゲニン標識プローブを用い,hybridization後,NBTで青黒色に発色させ,核はケルン赤で染色する方法で問題点を解決した. 皮膚光線角化症を異型度により軽度,中等度,高度異形成に分け,上皮内癌および浸潤性扁平上皮癌とともに検索した.17番染色体が軽度,中等度異形成病変ではdiploidであったが,高度異形成-上皮内癌病変ではaneuploidy(triploidy,tetraploidy)を示し,浸潤癌ではその程度が増強した.検索結果は論文に執筆中であるが,大腸腺腫での検索結果とあわせ,NISH法による間期染色体解析は組織学的前癌病変の確認に応用できるものと結論した. また,予備実験の段階でfluorescent in situ hybridization(FISH)法でt(18;X)を検討した滑膜肉腫に関する研究論文を発表した(Am J Clin Pathol,1999).FISH法による間期染色体解析もsolid tumorでは前癌病変またtumor progressionの検索に応用可能であろう.
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