Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宇都宮 洋才 和歌山県立医科大学, 医学部, 講師 (60264876)
横井 豊治 和歌山県立医科大学, 医学部, 助教授 (40200886)
覚道 健一 和歌山県立医科大学, 医学部, 教授 (00112037)
中村 美砂 和歌山県立医科大学, 医学部, 助手 (70285386)
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Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 1998: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 1997: ¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
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Research Abstract |
1) 得られた初代甲状腺乳頭癌細胞は,良好に形態を保ち,増殖刺激に反応する株も少数ながら得られものの,多くは継代により増殖停止を来たし,場合によっては死滅するものもみられた.しかしながら,これまで報告の無かった,甲状腺乳頭癌の細胞株の可能性が開けた. 未分化癌と比較して,遺伝子導入高率は高くなく,増殖亢進変異を起こす株は非常に少なく,むしろ,経時的に脱分化を示すものが目立った.増殖関連遺伝子が含まれているクローンを得ることならびにその遺伝子配列の解析は現在行っているところである. 2) Comparative genomic hybridizationによる未分化癌細胞株の解析においては,c-myc遺伝子座である8番染色体長腕の増幅のみならず,16番,18番染色体を始め,多くの位置に欠失がみられた.これらに関しては,今後microsatellite markerを用いたFISH法で,詳細なmappingを行う予定である. 3) 細胞外基質に関しては,oncofetal fibronectinが甲状腺乳頭癌に特異的に蛋白レベルでも発現がみられ,これは悪性転化によっても保たれていた.これまでの研究により,甲状腺乳頭癌では糖鎖修飾機構の変化がいわれており,細胞外基質との接着や誘導の点から考えると,形態形成,もしくは浸潤・転移に何らかの関連がある可能性が推定され,今後の検討課題と考えられる.
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