生体防御におけるマクロファージスカベンジャー受容体の役割
Project/Area Number |
09877048
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Experimental pathology
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
竹屋 元裕 熊本大学, 医学部 (90155052)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
坂下 直実 熊本大学, 医学部, 助手 (90284752)
宮川 和久 熊本大学, 医学部, 助手 (00244111)
高橋 潔 熊本大学, 医学部, 教授 (70045631)
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Project Period (FY) |
1997 – 1998
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1998)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1998: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 1997: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
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Keywords | スカベンジャー受容体 / マクロファージ / 肉目腫 / 遺伝子欠損マウス / サイトカイン / Corynebacterium parvum / モノクローナル抗体 / 免疫組織化学 / 生体防御 / リステリア感染 / 肉芽腫 |
Research Abstract |
マクロファージスカベンジャー受容体(MSR-A)はマクロファージ(Mφ)の基本的機能に深く関与する受容体であり、動脈硬化におけるMφの泡沫化のみならず、Mφの生体防御機構にも深く関与する。本研究では、本受容体の生体防御機構への関与を明らかにするため、MSR-A欠損マウスにCorynebacterium parvum (C.parvum)死菌(0.5mg/マウス)を静脈投与し、肝肉芽腫の形成過程を観察した。 1. 死菌投与後3日目から10日目までは、野生型マウスに比べ、MSR-A欠損マウスでは肉芽腫の数が少なく、大きさも小さく、肉芽腫形成の遅延が見られ、肉芽腫内のMφや単球数も低値であった。 2. 14日目以降になると、野生型マウスでは肉芽腫の退縮がみられたが、MSR-A欠損マウスでは肉芽腫の退縮が遅れ、両者間の肉芽腫の数と大きさの有意差は消失した。死菌投与後の肝におけるTNF-α、IFN-γ、およびMCP-1の発現は、MSR-A欠損マウスで遅延が認められ、これらのサイトカインの産生にMSR-Aを介する何らかのシグナル伝達機構の関与が想定された。 3. 肉芽腫形成の初期では、MSR-A欠損マウス肝におけるC.parvum貧食細胞数は有意に少なく、C.parvumの細胞内取り込みに際してMSR-Aが関与することが想定された。 以上の結果から、MSR-A欠損マウスでは、MSR-Aを介するシグナル伝達の欠如により、TNF-α、IFN-γ、MCP-1などのサイトカインの発現が遅延し、これに続く単球の動員ならびに単球のMφへの分化や活性化が遅れることにより肉芽腫形成が遅延したものと考えられた。
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Report
(2 results)
Research Products
(11 results)