Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1999: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 1998: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 1997: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Research Abstract |
Rhabditis pseudoelongataを用いて抗線虫薬開発のための動物実験代替in vitroモデル系の確立のためにin vivoでの寄生条件の研究を開始した。本線虫は本来自由生活性であるが,従来より患者や動物の糞便から検出されたり,動物での実験感染の報告があり,条件寄生性と考えられた。昨年,マウス,ラットなどを用いて感染実験を行ったが,感染は認められなかった。さらに,この実験に胃酸分泌抑制薬を併用したが,やはり生存虫体は回収できなかった。本研究で使用した線虫が,野々田や他の研究者が使用した株と異なるためか,あるいは完全に胃酸の分泌が抑えられなかった結果,感染が認められなかったと推察された。本線虫はもとも患者の検便より,連続して検出されており,ある期間患者の腸管内に存在していたと考えられる。本来は自由生活性の線虫であるから経口感染が考えられ,胃(pH1.5-2.0)を通過することは必然となり,生存可能なpHの範囲を明らかにすることは,寄生条件を明らかにする上で重要と思われた。そこで今年度の研究では,in vitro実験で,液体培地のpHの違いが線虫の生死および増殖に影響を与えるかどうかを検討した。その結果,幼虫および成虫はpHが3以下あるいは11以上では数時間で死滅した。しかしながら,産み出された虫卵および子宮内虫卵は,上記pHの範囲の培地に5時間浸漬後に通常の培地に移した場合,孵化し増殖した。これらの結果より,偶発的に摂取された本線虫の虫卵,特に子宮内虫卵は,強酸性状態の胃を通過することができ,腸管内で孵化増殖する可能性が示唆された。今後は,in vitro培養から生物学的特性をさらに解明し,in vivoでも遺伝的背景の異なるマウス系統を用いて,寄生条件の解明を目指す。
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