Project/Area Number |
09877059
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Bacteriology (including Mycology)
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
中澤 晶子 山口大学, 医学部, 教授 (40053053)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
白井 睦訓 山口大学, 医学部, 助教授 (20196596)
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Project Period (FY) |
1997 – 1998
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1998)
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Budget Amount *help |
¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
Fiscal Year 1998: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 1997: ¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
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Keywords | Chlamydia pneumonia / 動脈硬化 / NF-kB / I-kBα / NO / TNF / リンホトキシン / NFKB |
Research Abstract |
Chlamydia pneumoniae(Cp)は、動脈硬化症や自己免疫疾患との関連が注目されているが、その潜伏感染機構と宿主の応答については不明な点が多い。平成9年度に我々は、Cpの持続感染様式を臨床材料を用いた解析で日本人の動脈硬化症患者に高率かつ高力価に抗体の保有を認め(J.Med.Microbiol.47:907,1998)、頚動脈硬化病巣の70%にCpの持続感染を認めることを報告した(Stroke29,773,1998)。また、Cpの持続感染機構と各種サイトカインによる感染排除機構の解明を目的として、CpのHEp-2細胞感染系を用い、リンホトキシン(LT)などの影響をin vitroで検討した結果、LTの投与によりNF-κBの誘導とNF-κBによって転写が促進されるiNOS遺伝子により産生されるnitric oxide(NO)の増加が認められ、NOがCpの感染を抑制することを報告した(昨年度報告書)。さらに平成10年度において、このNOの産生増加はiNOSの基質のAnalogをインヒビターとして用いたアッセイで抑制されることから、iNOS遺伝子の発現誘導によるCp感染抑制機構が検証できたが、ヒトのクラミジア感染系でのiNOS-NOのシステムによる感染抑制の証明は初めてのことである(Infection Immunity投稿中)。この抑制機構をさらに解明するため我々は平成10年度においてプロモーター領域にNF-κBの結合配列をもつプラスミドを、リポソームを用いてCp感染HEp-2細胞に80-90%と高率に導入してプロモーター下流のルシフェラーゼの発現を0、8、24、48、72時間と経時的にみた。内部コントロールとしてβ-galactosidasse遺伝子を同時に導入してそのRelative ratioを出すことにより活性の推移をみると、NF-κBの活性化は24時間で10倍以上に跳ね上がり、その後は細胞が崩壊してEB(Elemerntary body)が放出される72時間まで低下していくことが確認された。またNF-κBを活性化に誘導するキナーゼの上位に位置するKinase kinaseaであるMEKK1遺伝子を上記のNF-κB cis-actingルシフェラーゼ遺伝子と同時に感染HEp-2細胞に導入すると0-24時間まではNF-κBの活性化は高度に起こるが、24時間以降はMEKK1遺伝子を導入しない場合と同様に低下を示した(投稿準備中)。このことはCpに由来するなんらかの因子(解析中)がMEKK1の上位のキナーゼに作用することを示唆している。また、Cpが2分裂期に入り多量に核酸を合成している時期に、核酸に障害的作用を及ぼすNOの産生を低く押さえることでRb(reticulate body)の分裂・成熟を能動的に促進していることと解釈される。興味あることにこのNF-κBの活性化に関与すると考えられたI-kBσは24時間期にリン酸化した活性型の増加を示していないことから、この24時間期のNF-κBの活性化には他の因子も必要と考えられるが、感染初期などのI-kBσの短時間での変化を見落としている可能性もある。感染24-48時間において、CpはRbとなりnclusion membraneに接着してtypeIII分泌装置の突起を膜の外に出していることが電子顕微鏡で確認されており、この時期に菌体内より外に宿主の情報伝達系(キナーゼ活性ど)を変容させる未知の物質を放出している可能性がある。
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