肥満を呈するガストリン遺伝子導入マウスにおいてガストリンが肥満を誘発する機序
Project/Area Number |
09877104
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Gastroenterology
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
竹内 利行 群馬大学, 生体調節研究所, 教授 (00109977)
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Project Period (FY) |
1997
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1997)
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Budget Amount *help |
¥2,300,000 (Direct Cost: ¥2,300,000)
Fiscal Year 1997: ¥2,300,000 (Direct Cost: ¥2,300,000)
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Keywords | ガストリン / 高ガストリン血症 / 肥満 / 遺伝子導入マウス / 胃粘膜 |
Research Abstract |
ガストリンは胃前庭部G細胞で産生され、胃底部の壁細胞から胃酸を、腸クロマフィン様細胞からヒスタミンを分泌させる。ヒスタミンは壁細胞に作用して酸分泌を更に増強する。我々はガストリンDNAに、広汎な組織に分布する前駆体切断酵素furinの切断配列を導入し、この変異ガストリンを発現したどの細胞も生理活性型ガストリンを産生できるようにした。この変異DNAをマウス受精卵に微量注入し、ガストリン高発現マウスを作成した。このマウスは対照マウスに比べて生後10週で5〜10倍の血中ガストリン値を示し、生後3ヶ月から体重が増加し、生後7ヶ月で約1.5倍の体重を示した。予想通り胃粘膜上皮は肥厚し、胃小窩上皮の伸展が著しかった。変異ガストリンDNAは広汎な組織で高発現を示すβアクチンプロモーター下に配置されているので、我々はガストリンが広汎な組織で発現していると予想した。ところがガストリンの各組織含量とPCR法によるmRNA発現を調べると、ガストリンは胃底部でのみ高発現し、他の組織ではPCRで認められる程度の弱い発現であった。脳にはCCK-B/ガストリン受容体が広く分布するのでガストリンが脳で高発現していることを予想したが、脳組織のガストリン含量はガストリン発現マウスと対照マウスで差がなかった。血中ガストリン値は1500pg/ml(正常<100pg/ml)に達するマウスの現れたが、ガストリン値と肥満度に正の相関は得られなかった。胃粘膜の肥厚は先に述べたように胃小窩上皮の伸展により壁細胞の豊富な胃腺部は正常と同じ位のサイズであり、胃内の酸度も対照マウスのそれと比較して差は認められなかった。しかし胃そのものは1.5〜2.0倍程大きく、ガストリン発現マウスは明らかに食餌摂取量が多かった。従って肥満は中枢性ではなく未梢性の機序によるものと思われ、胃粘膜が肥厚すると膨満感を認識する閾値が上昇するように見えるので、現在肥厚度と食餌摂取量との関係を検討している。
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Report
(1 results)
Research Products
(5 results)