Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1998: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 1997: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
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Research Abstract |
1)37LBP/p40のリガンドであるラミニン由来のペプチド(YIGSR)とレポータ遺伝子を発現するplasmid(pBCLuc)とをpoly-L-lysineを介して結合させた。得られたペプチド-プラスミド複合物(LNpLuc)を37LBP/p40発現の亢進している小細胞肺癌SBC3,肺腺癌A549に特異的に取り込ませることが可能か否かを,37LBP/p40発現の低い肺腺癌PC3,肺扁平上皮癌Lu4を対照として検討した。その結果,必ずしも37LBP/p40発現の亢進とLNpLucによるレポータ遺伝子(ルシフェラーゼ)の発現程度に相関を見出せなかったので,次の研究計画「37LBP/p40プロモータのクローニングとLnpLucへの組み込み」は見送りとし,計画を再考した。2)次に,肺癌細胞表面抗原を認識する抗体を用いたターゲッティングに目的を定め,上記ラミニン由来ペプチド(YIGSR)を認識する37LBP/p40の機能ドメイン(ペプチドG領域),あるいはその配列を含む組み替え体(r37LBP/p40)と,それらに対する抗体を数種作成した。(作成した抗体は,ペプチド抗体としてポリクローナル抗体3種とモノクローナル抗体1種,及び抗r37LBP/p40抗体2種。)そのうちIgG型ポリクローナル抗体である抗r37LBP/p40抗体(P4G)は肺癌細胞表面の37LBP/p40を最も感度良く認識し,SBC3,A549や線維肉腫細胞HT1080のラミニンへの接着能を濃度依存的に阻害した。また,予めP4G抗体と培養したHT1080細胞をヌードマウスに静脈注射した結果,実験的肺転移の著しい減少が認められた(マウス肺当たり3.3±5.1個,対照では58.0±38.0個,p<0.005)。以上の結果から,P4G抗体は癌細胞表面に高発現している37LBP/p40をターゲッティングする癌転移抑制への応用が期待される。さらに癌細胞の接着能や転移能抑制に関してペプチド(YIGSR)と有効性を比較検討する必要があるが,将来的に化学療法剤を結合して癌のターゲッティングを目指そうとする場合,結合技術の容易さから抗体の優位性が予想される。
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