Project/Area Number |
09877201
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
内分泌・代謝学
|
Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
加計 正文 鹿児島大学, 医学部・附属病院, 講師 (90214270)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
矢田 俊彦 鹿児島大学, 医学部, 助教授 (60166527)
|
Project Period (FY) |
1997
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 1997)
|
Budget Amount *help |
¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
Fiscal Year 1997: ¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
|
Keywords | インスリン分泌 / ATP / K^+チャネル |
Research Abstract |
β細胞には各種のイオンチャネルの存在が知られているが、中でもインスリン分泌に影響をおよぼす重要なチャネルはATP感受性K^+チャネル、電位依存生K^+チャネル、電位依存性Ca^<2+>チャネルである。本研究ではパッチクランプ法並びに細胞内Ca^<2+>濃度の顕微測光法による測定を用いて、イオンチャネルレベルでインスリンとともに分泌されるATPの作用を研究し、さらに細胞内Ca^<2+>動態に対するATPの影響を検討した。 単一β細胞に細胞接着型パッチを形成し、ATP感受性K^+チャネル電流を記録し、細胞外からATPを作用させK^+チャネル活動の変化を検討した。チャネルはATPにより活性化される場合と活性化されずに活動電位が抑制される現象が観察された。次に全細胞膜電位固定実験にて、電位依存性Ca^<2+>チャネルに対するATPの作用を観察すると、チャネルはATPにより可逆的に抑制された。この作用は細胞内Ca上昇によるチャネル抑制によってもたらされたものではなく直接チャネルを抑制する機序が考えられた。また、チャネル抑制の機序には細胞内に前投与したGDPベータSの存在下でも観察されたことからGTP結合蛋白の関与はないものと思われた。ATPの作用は10μM以上の濃度でみられた。また、細胞内Ca^<2+>濃度の測定では細胞外から適用したATPは細胞内Ca^<2+>濃度を一過性に上昇させた。この反応はレセプター刺激Pholpholipase C,PI turn over促進,IP3産生ERよりのCa^<2+>releaseが考えられている。以上より膵β細胞においてインスリンとともに開口放出されるATPはβ細胞膜上の固有のレセプターに結合し膜の過分極または、Ca^<2+>チャネルの抑制をもたらすが、細胞内Ca^<2+>濃度については一過性の増加を示す。Ca^<2+>チャネル抑制はこの細胞内Ca^<2+>上昇に対してチャネルを抑制しca^<2+>流入を減少させることにより細胞内Ca^<2+>濃度の上昇をすばやく抑制しインスリン分泌に対してはnegative feedback機構として働いていることが考えられた。
|