造血前駆細胞からストローマ細胞への作用:HTK受容体結合因子の機能解析
Project/Area Number |
09877210
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Hematology
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
須田 年生 熊本大学, 医学部, 教授 (60118453)
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Project Period (FY) |
1997
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1997)
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Budget Amount *help |
¥2,300,000 (Direct Cost: ¥2,300,000)
Fiscal Year 1997: ¥2,300,000 (Direct Cost: ¥2,300,000)
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Keywords | 赤血球前駆細胞 / ストローマ細胞 / HTK受容体 / HTK結合因子(HTKL) / 赤血球増加 / C(-)HTK |
Research Abstract |
造血細胞は、骨髄ストローマ細胞からの作用を受けて、増殖分化が制御されている。ストローマ細胞には、可溶性の増殖因子のほかに、膜結合型の増殖因子が発現されていて、造血細胞の受容体に作用することが明らかにされている。いままで、幹細胞/ストローマ細胞の相互作用はストローマ細胞から幹細胞への刺激伝達を中心に考えられてきたが、本研究は、ストローマ細胞側へもなんらかの刺激が入っているのではないかという仮説を提出し、われわれがクローニングしたHTKチロシンキナーゼ受容体と結合因子(HTKL)を材料として検討した。 赤血球前駆細胞上のHTK受容体が、ストローマ細胞上のHTKLと結合することにより、HTK受容体のみならず、HTKLのチロシンリン酸化を誘導することを見い出した。HTKL遺伝子をマウスストローマ細胞株MS-5に導入し、造血前駆細胞と共培養すると、ベクターのみを導入したMS-5との共培養に比し、約3倍の細胞数の増加を認め、しかもその増加分は、赤芽球増加によるものであった。 そこで、両方向のシグナルのうち、どちらが重要であるかを明かにするために、HTKLファミリーに共通するC末側のドメインを欠失したC(-)HTKLを作成し、ストローマ細胞の機能変化を検討した。 その結果、C(-)HTKLはHTKをリン酸化するものの、赤芽球の増殖は誘導しないことが明かとなった(C(-)HTKLはチロシン残基を欠失するため、リン酸化はみられない)。このことから、HTKL-HTKの結合により、ストローマ側に入るシグナルが重要であることが明かとなり、細胞系列特異的な造血の場がクローズアップされた。今後、ストローマ細胞からの増殖因子産生、接着分子、インテグリンの発現の変化を解析し、造血支持の機構を検討する予定である。
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Report
(1 results)
Research Products
(6 results)