腎糸球体微小循環におけるトロンボキサン受容体の機能および発現特異性
Project/Area Number |
09877215
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Kidney internal medicine
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
伊藤 貞嘉 東北大学, 医学部, 教授 (40271613)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
竹内 和久 東北大学, 医学部, 助手 (40260426)
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Project Period (FY) |
1997
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1997)
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Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 1997: ¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
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Keywords | トロンボキサン受容体 / 腎血行動態 / 転写調節 / 高血圧 |
Research Abstract |
腎糸球体微小循環におけるトロンボキサン受容体の機能を明らかにするため、腎微小潅流系を確立した。すなわち、ラット腎糸球体を単離し、この輸入細動脈をガラスピペットにて潅流し、顕微鏡下に径を観察した。まだ、高血圧において病態における意義を解明するために、高血圧実験モデル(高血圧自然発症ラット)における腎微小潅流系をも確立した。まず、実験系の実用性を明らかにするため、アンジオテンシンによる血管反応性を検討し、従来の報告と同一の反応を示すことが確認された。 一方、遺伝子レベルでのトロンボキサン系の発現を検討するために、ラットトロンボキサン受容体遺伝子をクローニングし、その転写発現機構を検討した。すなわち、1キロベースペアの5'-UT領域の転写領域にSp-1サイトをはじめとする転写調節領域が存在する。この領域はルシフェーラーゼを用いた発現実験で転写性に活性を有しており、また各種サイトカインで転写活性が亢進した。また、ラットトロンボキサン合成酵素のcDNAをクローニングした。この酵素は、P450ファミリーの構造を有していた。また、このmRNA発現が水腎症腎で亢進することを明らかにし、これまで水腎症でトロンボキサン生成が亢進すると報告されていた機構として、トロンボキサン合成酵素の遺伝子発現誘導が示唆された。トロンボキサンは尿細管-糸球体フィードバック機構を増強し、食塩負荷によって発現が亢進し、食塩感受性高血圧をもたらす可能性について報告されている。我々の結果からは、おそらく水腎症や高血圧腎障害においては、サイトカインの生成によりトロンボキサン系が亢進し、尿細管-糸球体フィードバック機構の亢進を介するNaCl貯留型の高血圧が生じる可能性が示唆された。トロンボキサンの腎糸球体輸入細動脈における収縮機構については、これらの成果を踏まえつつ進行している。
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Report
(1 results)
Research Products
(4 results)