抗FKBP12自己抗体の肝移植後の拒絶反応および自己免疫疾患における臨床的意義
Project/Area Number |
09877226
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
General surgery
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
猪飼 伊和夫 京都大学, 医学研究科, 講師 (60263084)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山内 清明 京都大学, 医学研究科, 助手 (00291427)
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Project Period (FY) |
1997 – 1998
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1998)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1998: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 1997: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
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Keywords | FKBP12 / 抗FKBP12自己抗体 / 生体部分肝移植 / 拒絶反応 / 自己免疫疾患 / FK506 / inorganic pyrophosphatase / ピロリン酸 / 坑FKBP12自己抗体 / SLE / epitope |
Research Abstract |
生体肝移植患者47人及び自己免疫疾患患者126人における抗FKBP12自己抗体の臨床的意義について検討した。生体肝移植患者においては、移植後、拒絶を合併した群では拒絶を合併しなかった群より術前及び術後に高頻度に抗FKBP12自己抗体を認めた。更に術後自己抗体が陽性の症例は、予後が不良であった。また全身性自己免疫疾患患者の約3割に抗FKBPl2自己抗体を認めた。抗FKBP12自己抗体は主としてFKBP12のfunctional domainであるThr^<27>-Phe^<46>を認識していること、FKBP12とFK506、calcineurin、calmudu1in、及びCa^<2+>がpentamerを形成する活性を阻害することが確認された。これらのことより抗FKBP12自己抗体は肝移植後の拒絶及び予後に対する予測因子になり得るとともに、免疫異常の発症メカニズムに関与している可能性が示唆された。 一方mouse anti-FKBP12 monoclonalantibody(3F4)はFKBP12のほかにヒト肝硬変及び肝癌組織中で発現が冗進している36kDaの蛋白質をも認識することが判明した。これを分離精製したところこれがinorganic pyrophosphatase(無機ピロリン酸加水分解酵素)であり、しかも酵素活性が失活したもののみが3F4で認識されることが明らかになった。更にこの酵素の基質であるピロリン酸はFKBP12のpentamer形成作用を阻害すること、FKBP12のcis-trans peptidyl-prolyl isomerase活性を亢進させることを発見した。これらのことよりピロリン酸はFKBP12に対してFK506と正反対の作用を有し、本来細胞内においてはピロリン酸がFKBP12の生理学的作用を調節している可能性が示唆された。
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Report
(2 results)
Research Products
(8 results)